WRC第13戦「ラリー・ジャパン」は11月13日、最終日を迎え、「Asahi Kougen」、「Ena City」、「Nenoue Plateau」でタイム争いが展開された。
この日もSS16「Ena City 1」で2番手につけていたTOYOTA GAZOO RACING WORLD RALLY TEAMのエルフィン・エバンス選手がパンクを喫し、4番手に後退するなど波乱の展開が続いた。
この結果、TOYOTA GAZOO RACING WORLD RALLY TEAM NEXT GENERATIONで、GR Yaris Rally 1 HYBRIDを駆る勝田貴元選手が3番手に浮上。さらに勝田選手はSS17「Nenoue Plateau」で3番手タイムをマークするなど、自身の走りでも素晴らしいパフォーマンスを披露していた。
まさに目標のポディウムフィニッシュが見え出すなか、天気予報どおり、午後から雨が降り始め、SS18「Ena City 2」は完全なウエットコンディションのなかで開催。ウエットタイヤを1本だけ搭載して出走していた勝田選手にとって苦しい状況となったが、それでも慎重な走りでポジションをキープし3位入賞、母国ラリーでシーズン2回目の表彰台を獲得した。
「難しいラリーで思うような走りがなかなかできないなか、ラリー・ジャパンで目標だった表彰台を獲得できました」とインタビューで目頭を熱くさせた勝田選手は「3年前にもしラリー・ジャパンが開催されていたら表彰台を獲得できる状況にはなかったと思います。そういった意味では自分自身も準備ができました」と分析した。計り知れないプレッシャーがあったのだろう。
最後に「ほっとしました。でも、プレッシャーもあったけれど楽しめました」と勝田選手は笑顔を見せた。そして、この瞬間を待ち望んでいた多くのファンも、ポディウムに立つ勝田選手に拍手と歓声を贈っていた。