2024年9月22日(日)、愛知県豊田市の豊田市民文化会館にて、FIA 世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン 2024 のオフィシャル競技ボランティアを対象としたラリーミーティング(決起集会)が行われました。当日は雨の中、約200人のボランティアが集まりました。
まず、主催者挨拶としてラリージャパン 2024 実行委員会 太田稔彦会長から、民間ではなく地方自治体がラリーを主催する意義の説明がありました。「日本の国土はほとんどが森林であり、CO2の吸収や雨の治水などの役割を担っていますが、森林に対してあまり関心を持たれていません。そこで、山の中を走るラリーを通して、今一度、日本の原風景や森林の価値をアピールしていきたい」、との言葉がありました。
次に、フォーラムエイト・ラリージャパン 2024 競技長 高桑春雄氏より大会概要の説明がありました。2024年のラリージャパンは、昨年からコースに大きな変更はないものの、ステージを走行する曜日が変更になった事が紹介されました。また、マーシャルとボランティアの協力で競技が成り立っていることが話されました。
その後、オフィシャル競技ボランティアの全体プロジェクト説明とボランティアの心構えについて、フォーラムエイト・ラリージャパン2024ボランティア事務局 山田徹治事務局長より説明がありました。「昨年は、“共に作る、またとない瞬間”をスローガンに掲げ、ボランティアとして参加する楽しみを作ることをテーマとしていました。そして今年は、“共に創ろう、熱狂の瞬間”をテーマに掲げ、ボランティアも参加者の一部として力を合わせて大会の成功を創っていこう」と意気込みをお話しされました。 また、フォーラムエイト・ラリージャパン 2024 オフィシャル競技ボランティア統括責任者の山本博文氏より約700人のボランティアが参加する中、スマホアプリのBANDを使用して、一人ひとりをサポートしていく体制であることが語られました。
10分間の休憩の後、2023年大会の振り返りトークセッションが行われました。トークセッションには、これまでに紹介されたメンバーに加え、全日本ラリーでコ・ドライバーとして活躍する安藤裕一選手が参加しました。昨年大会を振り返り、急に雪が降るなかで何としても競技を続けるため、高桑競技長を始めとした多くの人が融雪剤をかき集めたエピソードが紹介されました。安藤選手は、「ラリーでは3つのことが起こります。何事もない予定内、リタイアなどの予定外、昨年の雪のような予想外があります。その、予想外を楽しむことが選手としてもボランティアとしてもラリーの醍醐味だと思います」と語り、会場からは笑いが起こりました。
最後に、クイズ大会とじゃんけん大会が行われ、貴重なポスターや新作のクリアファイル、サイン入りグッズなどが賞品となっており、参加されたボランティアの方の手にも力が入っていました。
今回、ラリーミーティングに参加した志波真吉(しわ しんきち)さんは「ラリージャパンのボランティアの参加は今回が2回目で、自分の出身である豊田市をもっと盛り上げて行きたい。世界大会をこんなに身近に感じられる機会は貴重なので、多くの人に色々な形で参加してもらいたい」と語っていました。
同じく2回目のボランティア参加となる鈴木聖崇(すずき きよたか)さんと菊地佳代子(きくち かよこ)さんは、「昨年は”コースロック”の担当として参加しました。道を封鎖していると、ラリーを知らずに通行する方が興味を持って色々話しかけてくれました。今年は、もっと興味を持ってもらえるような説明ができるように頑張りたい」と意気込みを語っていました。また、「昨年、おばあちゃんが身振り手振りで海外の選手とコミュニケーションをとっていました。おばあちゃんはとても嬉しそうな顔をしていたので、ラリーは言葉がわからなくても、ハートで伝わると思います。そういう機会がもっと増えるといい」と思い出に残ったエピソードを話してくれました。
多くのボランティアの方々が、それぞれ志を持ってラリージャパンを支えていただいていることが、ヒシヒシと伝わってきました。きっと皆さんのお力添えでラリージャパンは成功に導かれ、海外から来られるチームやファンの皆様に日本らしい「おもてなし精神」が伝わるに違いない、と感じました。とても頼もしいですね。