エルフィン・エバンスはフォーラムエイト・ラリージャパンで雨に濡れたコンディションを制し、午前中のループを終えて26秒のリードを築いた。
容赦ない豪雨と落ち葉に覆われた路面が重なり、ラリー初日は危険なスタートとなった。そしてFIA世界ラリー選手権の有力クルー数名が混乱の渦に巻き込まれた。
この悪コンディションのため、ラリー主催者は設楽町のテストをキャンセルしたが、それ以前に勝田貴元、ダニ・ソルド、エイドリアン・フルモーの3人がSS2の同じ場所でトラブルに見舞われていた。
ホームヒーローの勝田貴元は、スタートから11.8km地点の右カーブで最初にトラブルに見舞われた。ブレーキングでロックしてスピンした後、木に激突してトヨタGRヤリスのラジエターを破損。勝田とコ・ドライバーのアーロン・ジョンストンは、EVモードで足を引きずりながらフィニッシュまでたどり着き、沿道で修理を行なった。しかしながら、2つのステージを終えた時点で、エルフィン・エバンスに5分以上の差をつけられていた。
その直後、ダニ・ソルドが同じ場所でクラッシュ。HYUNDAI i20 N RAlly 1 HYBRIDを堤防に滑らせ、ラリーから脱落した。一方、エイドリアン・フルモーも、ほぼ同じミスを犯し、まったく同じ結果となった。クルーは全員無事だったが、その後ステージは中断された。
トップのエバンスは、2番手のティエリー・ヌービルを大きく引き離したが、マシンの中は快適とは言い難く、アスファルトのスピードテストの勝者も注意が必要であることを認めた。
「自分がどこに向かっているのかよく見えないから、簡単じゃないんだ。2回目はもっと水が溜まっていたけど、ここまでの2ステージは同じようにひどかった」とエバンズは話す。
チームメイトのセバスチャン・オジエは16.6秒差でヌービルを追って3位に入ったが、WRC2ドライバーのアンドレアス・ミケルセンはローパワーのシュコダ・ファビアRSラリー2を駆って4位に入った。
「ラリー1マシンのほうが優れているが、シュコダのほうが優れている状況もある」とミケルセンはジョークを飛ばし、彼はファビアのヒーターについて言及した。
WRCの新チャンピオンに輝いたカッレ・ロバンペラは、TOYOTA GR YARIS Rally 1 HYBRIDを駆ってさらに51.7秒後方につけていた。ロードを最初に走ったロバンペラは、落ち葉が多く滑りやすい路面で走るも、ラインがなく難しいコンディションに直面した。
WRC2チャレンジャーのニコライ・グリアジンは6位をキープし、FORD PUMA Rally 1 HYBRIDのオィット・タナックを上回った。タナックはSS2でフロントガラスが曇り、大幅なスピードダウンを余儀なくされたため、約3分の遅れを喫した。