フォーラムエイト・ラリージャパン2023開催まで1週間を切った週末の11月11日(土)。WRCのトップカテゴリー選手達やレジェンドドライバーを招いた記者会見とともに、ファン交流イベント「ENJOY! Rally Fan Meeting in TOKYO/ODAIBA」を開催した。
■ソルベルグ親子が「青い軍団」を語り笑顔
イベント会場となった「シティ・サーキット・東京ベイ」には、寒風吹きすさぶ秋模様のこの日、抽選で選ばれた200名のラリーファンが、間近に迫ったラリージャパンのために来日したヒーローたちの登場をいまやと待っていた。最初に登壇したのはWRCレジェンドであるペター・ソルベルグ選手と、Rally2で活躍中のオリバー・ソルベルグ選手の親子だ。
ステージトークでは前週に開催された「ジャパン・モビリティショー」のデモランで、モリゾウ選手こと豊田章男自動車工業会会長がスバルの青いジャケットを着て登場したことなどが話題にあがった。ソルベルグ親子も「そりゃぁいい、期待が持てるね」と、日本のラリーファンとも心を通わせる展開。場が早速に笑顔に包まれた。
■全マニュファクチャラーからゲストが登壇
続いてトップカテゴリーの面々が登壇。この日会場を訪れたのは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下TGR)より、勝田貴元選手とエルフィン・エバンス選手。M-SPORT FORD World Rally Team(以下、M-SPORT)からは、エイドリアン・フルモー選手。HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team(以下、ヒョンデ)からは、ティエリー・ヌービル選手とマーティン・ヴィーデガ選手のペアが登壇。ヌービル選手からは「日本の皆さんは、ほとんどがTGRを応援するでしょうから、僕たちはそこに立ちはだかる存在として、皆さんをがっかりさせることになるかもしれない」と、ナイスガイのヌービル選手のキャラクターはそこにありながらも、勝負への空気感を焚きつけるマイクパフォーマンス。しかし会場のお客さんの中にヒョンデのシャツを着て応援する人もいて、ヌービル選手たちもサムアップと笑顔で応えた。
■カート大会もワールドクラス
次は、皆さんお待ちかねのカート大会の開催だ。東京の新名所として話題のサーキットで、ハイブリッドラリーカーを操る選手たちとレジェンドが、EVカートのステアリングを握る。まずはフリー走行で各車感覚をチェック。世界を走るプロフェッショナルたちは、アソビにも真剣。車両の癖をいち早く掴むと、それぞれスターティンググリッドに駒を進める。国旗日の丸が降られ、各車一斉にスタート。ポールポジションから後ろを少し気にしながら飛び出したのはオリバー・ソルベルグ選手。互いの衝突などは控えるジェントルな走りながらも、普段から「ギリギリを攻める」選手たちはコースサイドのバリアに対しては容赦無し。コースオフィシャルたちもバリアの位置修正に奔走する。コースサイドにはベルギー国旗や、ウェールズの赤い龍が描かれた旗も掲げられ、各々が「推しの選手」に声援を送る。寒風吹きすさぶのも忘れるほどにアツく盛り上がっていた。サーキットのスタッフさんたちも「いや、これは……メッチャ苦茶速いっスね」と驚きの表情。ラリーファンも満足のグランプリとなった。
■最後は交流会とフォトセッション
WRC会場でも長蛇の列となるミート・ザ・クルー。この日、幸運な200名のスペクテイターは選手達を独占状態でサインや写真撮影に満面の笑み。選手達も来週木曜日からの熱戦を前に、ひと時の交友を楽しんだようだ。ちなみにカート大会のリザルトは、優勝がティエリー・ヌービル選手、準優勝がオリバー・ソルベルグ選手で、三位が勝田貴元選手という結果。ポディウムの賞品として、豊田市で穫れた巨大な「愛宕梨」がトロフィー代わりに進呈された。その競り価格はなんと50万円だったそうな。選手の皆さん、早いうちにチームの皆さんと食べてくれたかな。
いよいよ始まる「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」にむけて、大会スタートへの最終フェーズ。ファンの皆さんも「金曜日から行きます」「どこどこのSSで応援します」と準備万端のようだった。