東京モーターショーから生まれ変わった「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で、イベント最終日となる2023年11月5日(日)、FIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」をPRするため、ステージイベントとデモランを開催した。
11月の3連休の最終日でもあるこの日、東京ビッグサイト東展示場ホール7内に設置された「モータースポーツゾーン」のステージでは、勝田貴元選手(TOYOTA GAZOO Racing WRT)、エイドリアン・フルモー選手(M-SPORT FORD WORLD RALLY TEAM)、新井敏弘選手(SUBARU TEAM ARAI)、勝田範彦選手(TOYOTA GAZOO Racing WRJ)の4名のラリードライバーが登壇。
さらに「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」を主催する一般社団法人日本自動車工業会の豊田章男会長、そしてラリージャパン2023実行委員会の太田稔彦会長も加わったトークショーを実施した。ラリー1へ復帰参戦し、今回初来日となったフルモー選手からは、日本に来ることを楽しみにしていたことや、前日浅草で食事をしたこと、このままラリージャパンまで日本に滞在する予定であることなどが語られた。また、貴元選手からもフルモー選手は「めちゃくちゃ速くてかなりすごい選手」だという紹介もあった。
日本のコースについては、「細くツイスティな道が多いと聞いている」とフルモ―選手。一方、2022年のWRCのシーズンベストフォトの3作品のうちの2作品にラリージャパンのシーンが選ばれていることにも触れられ、日本人選手らからは日本らしいコースの美しさや魅力も語られた。また、昨年のラリージャパンの象徴的なシーンの一つにもなった「伊勢神トンネルSS」については、トンネル内の舗装を実施したことで、安全性も高まったという話が太田会長から語られ、フルモー選手も「楽しみにしている」とコメントしてくれた。
ラリージャパン2023で使用される「豊田スタジアムSSS」の舞台となる豊田スタジアムについては、コース設置のための舗装が進められている様子が、タイムラプス映像で紹介され、ジャンプ台や立体交差もお披露目された。この映像を見た会場の来場者からは拍手も沸き起こった。さらに豊田スタジアムでは、新旧、様々なラリーカーによるスペシャルデモランが行われること、またTOYOTA GAZOO Racingのトップドライバーたちによるカートレースが行われることなども発表された。
「世界一の競技を目の当たりにできること、そして日本の風景が全世界にブロードキャストされ、ラリー選手がスポーツをしている姿が多くの人の感動につながると思います。日本で世界に通じる競技が行われる、それこそがラリージャパンの意義だと思います」と豊田会長からも、その意義が語られた。
トークショーの最後には4名のドライバーから「がんばりますので応援よろしくお願いします」と間近に迫ったラリージャパン2023に向けた意気込みが伝えられた。
ステージイベント後には、屋外でデモランも実施。まず最初に登場したのは、スバルWRX STI。しかし、そのドライバーであるはずの新井敏弘選手は助手席に収まっており、ステアリングを握るのは、なんとモリゾウ選手というサプライズ。新井選手以外がこのWRXでデモランをするのは初めてのことだという。
続いて勝田範彦選手がモリゾウ選手の練習車両であるトヨタGRヤリスで走り、続いて今度は新井敏弘選手がスバルWRX STIで登場。その後、2週間後のラリージャパンを走る車両と同じトヨタGR ヤリスRally1のステアリングをモリゾウ選手が握り、勝田貴元選手が助手席に収まって登場した。デモランを一通り行った後、観客の前でマシンを止めると、メカニックがジャッキやタイヤをもってコースに現れ、GR ヤリスRally1はそのままタイヤ交換。そしてドライバーは貴元選手に交代し、迫力ある走りを披露。最後は、このデモランに持ち込まれた3台のラリーカーによるデモランの競演で、この日のラリージャパンPRイベントは終了。デモラン会場をびっしりと取り囲んだ多くの観客がこれに多大な拍手を贈っていた。