フォーラムエイト・ラリージャパン2023は、FIA(国際自動車連盟)環境認証プログラムにおいて、最高ランクとなる3つ星を獲得した。このプログラムは、世界中のモータースポーツとモビリティの利害関係者が環境パフォーマンスを測定し、向上させる支援を目的に、 「環境マネジメント」「エネルギーの使用」「廃棄物管理」等の17セクションの審査を受け、3段階で格付けするものである。
私たちが実施した具体的な取組は以下のとおり。
①クリーンエネルギーを使用した大会運営
メイン会場である豊田スタジアムの電力を100%クリーンエネルギーで実施した。
◆水素発電(協力:トヨタ自動車株式会社)
・水素発電機➣Riverside Hospitalityエリアへ電源供給
・FCオフィスカー➣エントラント受付等の運営用電源に活用
◆太陽光発電
・既存太陽光発電パネル➣豊田スタジアムの電力として活用
・仮設太陽光発電パネル(協力:株式会社アクト)➣屋外イベントステージ関係照明等の運営用電源に活用
◆グリーン電力証書(※)
上記取組に加え、グリーン電力証書を活用。
(※)再生可能エネルギーにより発電された環境価値を第三者機関(一般財団法人日本品質保証機構)が承認した証書。証書を購入することによって、証書に記載された電力量相当分がグリーン電力を利用したとみなされる。
②環境に優しい素材の積極的な使用
大会で使用する素材には、環境配慮素材を活用した。
・飲食ブースで提供する器類は脱プラスチック素材を使用
飲食ブースでは脱プラスチック素材を積極的に取り入れた。豊田スタジアムのキッチンカーでは、大会パートナーである株式会社アクトの協力により、食べられなくなったお米を活用した「ライスレジン」と呼ばれるカトラリーを使用した。
・マーシャルやボランティアなどが着るタバードには再生プラスチックを使用
・公式グッズにも環境配慮素材を活用
公式応援ユニフォーム:リサイクルペットボトル
Tシャツ:再生ポリエステル
トートバック:廃材生地
タンブラー:地元の間伐材
③地元の小中学生への環境教育
関係自治体(愛知県豊田市、岡崎市、新城市、設楽町、岐阜県恵那市、中津川市)の小中学生に対して、ラリーの魅力を伝えるとともに、持続可能な社会を考える機会を提供した。
ラリージャパンの開催をきっかけに、環境に対する理解を深める講座を行ってきた。この講座は、ラリーの魅力を伝えるだけではなく、未来をつくる子どもたちに、持続可能な社会を考えるきっかけ作りが目的である。カーボンニュートラル出張授業では、水素エンジンを搭載するGRヤリスのデモ走行を実施し、水素の可能性を肌で実感し、ラリージャパンの魅力とカーボンニュートラルへの挑戦を紹介した。
・ラリー教室を通じた環境学習(協力:学研教室)
➣全12回、19校の小中学生に対して実施
・カーボンニュートラル出張授業(協力:トヨタ自動車株式会社)
➣全3回、3校の小学生に対して実施
④山林の保全
大会を通じて、山村の魅力を国内外に発信し、森林が果たす役割を伝えた。
ラリージャパンの特徴は、愛知県及び岐阜県の林道を活用した競技コース。先代から受け継がれ、今もなお人の手によって守られてきた山林があるからこそ、綺麗な紅葉を背景にラリーカーが山を走り抜ける。山林を保全していくことが、カーボンニュートラルを達成するうえでも非常に大切であるため、山が果たす役割を観客や地元の小中学生等に伝えた。
今回のFIA環境認証プログラム3つ星獲得は、ラリージャパンにとって、ゴールではなくスタートである。2024年大会に向け、引き続き環境に配慮した取組を実施し、持続可能な大会づくりに努めていく。