ラリーは、公道を舞台としたモータースポーツで、「スペシャルステージ(SS)」と呼ばれる複数の競技区間を1台ずつ走行し、その合計タイムで勝敗を競います。このラリーの世界最高峰の大会が、「FIA世界ラリー選手権(WRC)」です。WRCでは、1年間かけて、世界各地の公道を舞台に年間王者を争います。ラリーが盛んな欧州や南米では、F1に勝るとも劣らない人気があります。
ラリー “rally” の語源は、“集まる” という意味をもち、中世ヨーロッパの騎士が領主のもとに各地から集結する際に競ったのが始まりと言われています。
世界初のラリーは、1911年に行われた「ラリー・モンテカルロ」で、ヨーロッパ各地の都市からモナコへとラリーカーが集結するイベントでした。
競技車両には、ドライバーとコ・ドライバーの2人1組で参加します。コ・ドライバーは、ペースノートと呼ばれる先の道路の状況を書き込んだノートを読み上げ、ドライバーはその指示に従います。様々な道路を走るラリーではコ・ドライバーの存在が非常に重要です。
閉鎖した一般道を、ラリーカーが1台ずつ走行してタイムアタックを行うコース。各SSには、安全な場所にギャラリーステージが設けられ、目の前を疾走するラリーカーのエンジン音やタイヤ音に砂煙、ドライバーの繊細かつ大胆なテクニックなどを間近で体感できます。
スーパースペシャルステージの略称です。SSと異なり、スタジアムなどに設置された特設コースを2台のラリーカーが同時に走行し、タイムを競います。
SSとSSの間の移動区間で、開催国の交通ルールに従って、一般車と共にラリーカーが走行するエリア。リエゾン内も競技中のため、目標時間が設定されています。ロードマップと呼ばれるルートをゆっくり走行するラリーカーが、普段歩いている歩道や馴染みの道路の前を通過するのは非日常の体験です。
整備を行うために設けられるチームの拠点。マシンをじっくり見たい人におすすめのエリアです。
会場ではサイン会やトークショーなどのイベントも行われるほか、ドライバーやメカニックがハイスピードでメンテナンスや修理を行う様子も見られます。
ドライバーとコ・ドライバーがタッグを組んで戦う、ラリーならではのアイテム。ペースノートを使うことで、コースの状況が詳細に記載されており、夜間や悪天時で視界が悪い中でも走行が可能となります。コーナーの大きさや路面状況などが記載されているほか、減速するときの看板や家、樹木などの目印も書き込まれています。
舗装された道路。アスファルト、コンクリートなど様々な舗装があり、SSによって滑りやすさやグリップの強さは異なります。路面の状況の変化によって、繊細なテクニックが必要とされます。
舗装されていない道路。砂地や砂利道、滑りやすい泥道、小石や枯葉が覆う道など様々な種類があり、ドライバー、コ・ドライバー共に現場でのフレキシブルな対応力が試されます。
ラリーに使われる道路を事前に試走することです。レッキの目的は、競技本番の前にSSを事前走行し、直線距離やコーナーの特徴、注意点等を確認して、それらの情報をまとめたペースノートを作成します。
ラリー競技のスケジュールが記載された日程表を「アイテナリー」といいます。SSのスタート時間や走行距離などが記載されています。
ラリー本番前に行われるテスト走行。最終調整やタイヤの選択を行うために、指定されたコースを走ります。
ラリーに参加する車両を1台ずつ紹介し、ラリーのスタートを告げるセレモニーを「セレモニアルスタート」といいます。
セレモニアルフィニッシュなどのセレモニーの表彰台のことを「ポディウム」と呼びます。
SSの競技開始前にコースを試走する車両のことです。全開走行に近い走りでコースの安全確認を行います。ゼッケン0番(出走順が1番の前)という意味でゼロカーと呼ばれています。
SS区間を閉鎖した後は観客に注意を喚起するインフォメーションカーが走行し、その後000カー、00カー、0カーと、少し時間をあけ、速度も上げながら走行し、コース上に危険な箇所がないかを入念に確認します。