エストニアの高速グラベルでロバンペラが圧勝!
7月20日(木)~23日(日)の4日間、WRC第8戦ラリー・エストニアがエストニア・タルトゥのサービスパークを起点とし、21SS・約300kmにわたるハイスピードグラベルでのラリーが繰り広げられた。
エストニアはフォード・MスポーツWRCのオイット・タナックの母国ということで、大勢のタナックファンが会場にあつまり大声援が送られたが、残念ながらシェイクダウンでのエンジントラブルによりエンジン交換を行ったことで、なんとSS開始前にFIA規定により5分間のペナルティが確定。事実上、ラリー前に優勝争いからは脱落してしまった。それでもタナックは初日のSS1、2日目のSS4までの4連続、そしてSS7とSS8を連続でステージ最速タイムをたたき出し、2019年WRCドライバーズチャンピオンの意地を見せた。
そんなタナックの奮闘を一気に凌駕したのが、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組だ。土曜日のSS9から日曜日の最終SSウルフ・パワーステージまで、なんと13SS連続でステージウイン。ひとり異次元の速さを見せつけた。
「エストニアでWRC10勝目を達成し、3年連続で優勝できたので、とても素晴らしい気分です。自分にとってエストニアは本当に素晴らしいラリーですし、毎回楽しんでいます。土曜日の朝からは全てのステージで勝つことができましたし、特別な週末になりました。自分たちの速さとクルマの性能をフルに発揮できたと思うので、本当にハッピーです。このようなスピードで走りながらも本当にヒヤッとするような瞬間は一度もなく、常にプッシュしながらもドライビングを楽しむことができたので、自分とヨンネはいい仕事ができたと思います。運転していて本当に楽しかったですし、素敵なステージと素晴らしい応援を満喫しました。また、ステージを走り終えてすぐに、表彰台で佐藤さん(トヨタ自動車社長)と勝利を一緒に祝うことができたのも嬉しかったですし、彼もとても喜んでいました」と、ロバンペラは喜びを語っている。
2位表彰台のティエリー・ヌービル(HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM)は「カッレよりも良い順位でフィニッシュしたかった。カッレは素晴らしい週末を過ごし、残念ながら彼に対抗することはできなかった。それでも我々も本当に強力なパフォーマンスを出せたので、とても満足している」と完敗にも納得のコメントを述べている。ヌービルにとってはもともとあまり得意ではない高速グラベルでのラリーで期待以上の手ごたえを得たようだ。
また、エルフィン・エバンス(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)とのバトルを制して3位に入ったエサペカ・ラッピ(HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM)も「皆さんが予想していたよりもトヨタに近づけたと思うが、それでもまだ差があるので改善が必要だ。3日間連続で全開で誰かと戦ったのは初めて。昨年エルフィンはここではとても速かったので、彼との戦いに勝てたのは素晴らしい。チームに感謝したい」とポジティブなコメントだ。
勝田貴元は、7位フィニッシュ。「ポジティブなことも、ネガティブなこともあった週末でした。ミスや危ない瞬間を経験することなくラリーを終えられたのは良かったですし、クリーンに戦うことはできたと思います。しかし、いろいろな状況でスピードが足りていなかったので、次のラリーに向けて改善しなくてはなりません。序盤はかなり苦戦し、その後フィーリングは良くなっていきましたが、それでもさらに高いスピードを発揮したかったですし、自分のパフォーマンスには到底満足することができません。それでも、この状況をポジティブに捉え、今回の戦いを分析して次のラリー・フィンランドに向けて改善したいと思います。カッレとヨンネ、そしてチーム全員の優勝を祝福します」と、悔しさいっぱいのコメントだ。