ティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組がフォーラムエイト・ラリージャパン2022以来の優勝
WRC第6戦ラリー・イタリア サルディニアは6月1日(木)から4日(日)まで地中海のサルディニア島で開催された。高速かつ道は細くステージ脇には木々や岩が迫るという、WRCのなかでも特に過酷として名高いグラベルラリーは、今年も多くのドライバーにその牙を剥いた。
初日・2日目こそ時折激しい雨がふるという厳しいコンディションの中でも無難に走り終えていた上位勢だったが、波乱は3日目に待ち受けていた。
なんとオープニングとなるSS8で、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)がウォータースプラッシュに飛び込んだ際にフロントセクションを大破。このダメージにより走行不可能となりデイリタイアに。
さらにSS14。SS13終了時点で首位に立っていたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、スタートから1.4kmのコーナーで曲がりきれずにコースオフし、デイリタイア。
さらに、オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)もウォータースプラッシュを通過した後に電気系のトラブルが発生しデイリタイア。
散々なウォータースプラッシュとなってしまった。
最終日。奮起したのはデイリタイアを喫したタナクと勝田だった。
マシンを修復させて戦列に復帰したふたりのドライバー。タナクは最初のSS16と17を連続してステージウイン。勝田はSS18でステージウインを飾った。
ラリーウイークを通じて荒れた路面と激しい雨に悩まされたラリー・イタリアだったが、ライバルが次々と離脱するなかで冷静かつ攻めの走りを見せたのがティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)だ。SS13にトップに立っていたチームメイトのラッピから首位を奪うと、最終日はライバル勢とのマージンをコントロールしながらフィニッシュ。ヒョンデにとってもうれしい今季初優勝となった。
「表彰台の一番上に戻ってこられたのは嬉しい。本当に大きな挑戦であり、大きな戦いだった。この結果に満足しているし、チームのみんなにも満足している。新しいチーム代表のシリル・アビテブールにとっても、エサペッカ・ラッピとの1-2フィニッシュもうれしいことだ。チームはこの勝利に値するし、クレイグも今日、僕らの記憶に残っている。クロアチアでの勝利が欲しかったが、今、それを手に入れた」と、ヌービルは亡き盟友クレイグ・ブリーンへの思いとともに優勝の喜びを語っている。