コバライネン/北川組が連覇に向けて今シーズン初優勝
全日本ラリー第2戦「新城ラリー Supported by AICELLO」が3月3日(金)~5日(日)に新城市・岡崎市で開催され、全クラス72台が参戦した。競技は11本のSSで繰り広げられ、今回から愛知県新城市とともに岡崎市にもコースが設定された。フォーラムエイト・ラリージャパン2022でもSSコースとなった鬼久保SSのほか、額田SSも新城ラリーに仲間入りした。また、サービスパークやイベントの会場となった新城総合公園内にもギャラリーコースが設定された。
2020年以来コロナ感染症の影響で無観客開催が続いていたが、今回の新城ラリーは実に4年ぶりの有観客開催となり、サービスパークが設置された県営新城総合公園には多くの観客が集まった。
会場内には新旧様々ラリー車両が並ぶラリーパークや参戦メーカーやチームのブースそして売店などが立ち並ぶなか、フォーラムエイト・ラリージャパン2023もブースを出展。ステッカーの配布やグッズの販売などを行うとともに、2023年11月16日~19日に開催となるWRC日本ラウンドのPRを行った。
また、公園内のコースで実施されたデモンストレーションランでは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ代表、勝田貴元選手、モリゾウ選手らが参加し、会場を大いに盛り上げた
JN1:2022年チャンピオンのコバライネン/北川組が優勝
JN1クラスは昨シーズンのチャンピオンであるヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が各SSでベストタイムを連発しライバル勢を圧倒。今シーズン初優勝を飾った。「2日間を通して、とてもいいラリーが戦えた。シーズンオフの間にチームがファビアR5のセッティングを進めてくれたこと、そしてダンロップの新しいタイヤが素晴らしい性能を発揮してくれた。特に初日は自信を持って攻めることができた」とコバライネン。2位はニューマシンとなるシュコダ・ファビアR5EVOを投入した福永修/齊田美早子、3位は鎌田 卓麻/松本 優一(スバルWRX STI)。
JN2:奴田原文雄/東駿吾がJN-2クラス初勝利
JN2クラスは奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)がJN-2クラス初勝利。「午後から雨が降ってきて、路面状況はかなり危なかったです。ドライブしていてもドキドキしました(笑)。今回は確実に走り切るために、危ない箇所を抑えながら走りました。実際、JN-2クラス初勝利はうれしいですね。次の唐津も着実に走りたいと思っています」と奴田原。山田啓介/藤井俊樹(トヨタGRヤリス)が、JN2クラス初参戦で2位表彰台を手にした。3位には村田康介/梅本まどか(トヨタGRヤリス)。
JN3:岡崎市アスリートの山本悠太/立久井和子が逆転勝利
JN3クラスはフォーラムエイト・ラリージャパン2022にも出場した岡崎市アスリートの山本悠太/立久井和子(トヨタGR86)が逆転勝利。「まずは勝てたことがうれしいです。ただ、ライバルの長﨑選手がリタイアしてしてからは、ペースを掴むのが難しかったです。トップを走れましたが、自分としてはまだタイム的に満足していません」と山本。2位は上坂英正/山下恭平(トヨタ86)、3位は山口清司/丸山晃助(トヨタGR86)。
JN4:内藤学武/大高徹也が2年ぶりのラリー参戦で勝利
JN4クラスは内藤学武/大高徹也(スズキ・スイフトスポーツ)が初日のリードを保ってトップフィニッシュ。2年ぶりのラリー参戦を勝利で飾った。「ラリーへの復帰を決めて、昨年の11月からコツコツと準備を進めてきました。今回、予想以上に良い成果だったので、参戦予定を増やせないか考えています」と内藤。ベテランの岡田孝一/石田裕一(スズキ・スイフトスポーツ)が2位、昨年王者の西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)が3位。
JN5:冨本諒/里中謙太(トヨタ・ヤリスCVT)が全日本選手権勝利
JN5クラスは路面の変化とともに目まぐるしく首位が変化するなか、冨本諒/里中謙太(トヨタ・ヤリスCVT)が全日本選手権勝利を決めた。「ウエット路面での経験がないので、最終セクションは様子を見ながら走ったことが、優勝に結びつきましたね。今回は本当にできたてのクルマで挑んで、CVTに慣れるところから始まりました。すごくいいフィーリングですし、さらに上のレベルでも勝てるように頑張りたいです」と冨本。2位に鎌野賢志/坂井智幸(トヨタ・ヤリス)、3位には吉田知史/高田幸治(トヨタ・ヴィッツ)が入っている。
JN6:昨年のJN5クラスチャンピオン天野智之/井上裕紀子が優勝
JN6クラスは昨年のJN5クラスチャンピオン天野智之/井上裕紀子(トヨタ・アクア)が優勝。「デビュー戦ですし完走できればいいと考えていましたから、勝ててラッキーでした。コンディションも難しかったのですが、新しいクルマでバタバタしてしまいましたね。ただ、今回は絶対やってはいけない大きなミス(ジャンクションのオーバーシュート)があったので、これは反省点です」と天野。2位は海老原孝敬/蔭山 恵(ホンダ フィット)、トヨタ・ヤリス・ハイブリッドでのデビュー戦となった清水和夫/山本磨美は、3位表彰台を獲得した。
GRヤリス ラリー2がJN1オープンクラスで実戦デビュー
また、GRヤリス ラリー2がJN1オープンクラスで実戦デビューを果たした。WRCをはじめ世界各国のラリーで多くのカスタマーが使う「Rally2」車両の開発テストを目的として投入されているこのラリー2。ドライバーの勝田範彦選手は最終日のトラブルでリタイアとなった。「ラリーを通じて少しずつドライビングにも慣れてきたのですが、ウェットコンディションのSS10において、予想と違う挙動に対応しきれず、クラッシュしてしまいました。今回、サポートとしてフィンランドからエンジニアの方がチームに加わり、ラリー中もこれまで経験したことがないほどのレベルで細かくセッティングの調整を行ってくれました。私自身もまだまだクルマに慣れておらず、“対話”できるレベルに至っていないのが実情ですが、将来GR YARIS Rally2を世界中で使ってもらうための、まさにここがスタート地点だと実感しています。今後も走行を重ね、開発を進められるようチャレンジを続けていきます。」と抱負を語っている。
■次戦は4月14日(金)~16日(日)にかけて、佐賀県・唐津市を拠点として行われる第3戦「ツール・ド・九州2023 in 唐津」(ターマック)が開催される。