WRCの日本車1勝目は日産240Z。当時日産は1970、71年とサファリで総合優勝を飾っていた。
アメリカ・ミシガン州で開催されたWRCでトヨタ車初優勝を飾ったのはカローラ。優勝したボイスはカナダ人。
74年に続き2度目のWRC優勝となったランサー。ドライバーは「空飛ぶシーク教徒」と呼ばれたJ.シン。
日産は74年からWRCに新型160J(バイオレット)を投入。3年目で初優勝を飾った。
この年のバイオレットは前年の改良型で出場し優勝。メタも通算3勝目を挙げた。
79年から日産にT.サロネンがモトガード(ニュージーランド)に優勝。同年アクロポリスで2位に入賞していた。
この年のバイオレットはDOHCのLZ20Bを搭載して出場、車名もバイオレットGTとなった。
81年はWRCマニュファクチャラーズを狙いコートジボアールにも遠征し優勝したが、シリーズタイトルは2位に。
S.メタが同イベントを同じマシンで4連覇したことで話題になった。メタWRC最後の優勝だった。
モトガードにはRA63型セリカ2000GTが出場し1-2位でフィニッシュ。翌年からトヨタはグループBマシンを投入。
トヨタはグループBセリカをシーズン後半3戦に投入。コートジボアールでは1、3位でフィニッシュ。
グループBセリカでサファリに臨んだトヨタは、初出場初優勝で飾った。以後サファリで3勝を挙げた。
この年のサファリを制したドライバーはJ.カンクネン。カンクネンにとりこの優勝はWRC初優勝。
カンクネンはコートジボアールで2勝目を挙げ、3週間後のRACでも5位でフィニッシュした。
84年に続いてセリカで2度目のサファリ優勝を飾ったのはワルデガルド。2位にもセリカのE.トルフが入った。
ワルデガルドがシーズン2勝目を挙げる。トヨタはグループB時代に優勝を飾った唯一の日本メーカーだった。
ターボ4WDラリーカーを持たない日産はV6 3ℓを搭載したシルビア200SX(シルビア)を投入し優勝を飾った。
87年に優勝したマツダはスウェディッシュとニュージーランドで優勝しマニュファクチャラーズ3位となる。
マツダに続いてターボ4WDラリーカーをWRCに投入したのは三菱。ギャランVR-4はグループAの初優勝を飾る。
トヨタがWRCに投入したラリーカーは、スープラに続いて、ターボ4WDのセリカGT-FOUR ST165だった。
三菱は89年のWRC最終戦で三菱ギャランVR-4で優勝、ランチア、トヨタに続きWRC有力チームとなる。
かつてサファリを連覇したトヨタはセリカを投入し優勝。タフなイベントでも壊れないマシンであることを証明した。
アクロポリスの舞台ギリシャも、マシンやタイヤに耐久性を求められるイベント。セリカとピレリはそれをしのぎ優勝した。
南半球のWRCニュージーランドでサインツ+セリカが優勝。サインツは92年までニュージーランド3連覇を果たす。
従来1000湖ラリーの開催地フィンランドでは北欧系ドライバーしか勝てなかったが、初めて南欧系のサインツが優勝した。
マニュファクチャラーズタイトルが掛からないこともあり、ワークスチームの出場は無かったが、プライベートの三菱ギャランVR-4が優勝。
ランチアの牙城だったモンテカルロで、サインツ+セリカが優勝、幸先のいいシーズン幕開けとなった。
K.エリクソン+ギャランがスノーラリーを制した。エリクソンはその後も三菱で走り、ランサーエボリューションの初優勝も。
サインツは、ターマックラリーのコルスでフォード時代のチームメイト、オリオールと争い優勝した。
ドライバーズラリーと呼ばれるニュージーランドで優勝したサインツ+セリカ。2台のランチア勢を振り切っての優勝だった。
ニュージーランドに続いてWRCを連覇したサインツ+セリカ。サインツはこの年5勝目を挙げるもチャンピオン獲得ならず。
篠塚建次郎がWRCでついに日本人初優勝を得た。続く2位も前年優勝者のタウジャック+ギャランだった。
カタルニアではセリカのトラブルでサインツはリタイア。代わって優勝したのはトヨタのセカンドドライバーのシュバルツだった。
スノーラリーに強い地元ドライバーのM.ヨンソンは、元ワークスカーのセリカで出場し、スウェディッシュを制覇した。
この年からトヨタはマシンをST185型に切り替えた。乳牛のような独特なカラーリングだが、これでもマルボロをイメージしたもの。
サファリ以外では苦戦したトヨタ勢だったが、サスペンションの改良もありニュージーランドでは快勝。
前年に続き篠塚+ギャランが連覇。装着された横浜ゴムのタイヤもまたWRCで連覇を重ねたメーカーとなった。
サインツは地元カタルニアで優勝。2位カンクネン+ランチアに36秒と僅差の戦いを制した。
WRC最終戦RACでサインツ+セリカは優勝し、サインツは自身2度目となるドライバーズチャンピオンを獲得。
ランチアのWRC撤退を受け、トヨタにオリオールとカンクネンが移籍。開幕戦モンテカルロではさっそくオリオールが優勝した。
マシンをST185型に換えて前年のウイナーヨンソンが、スウェディッシュを連覇。2位にはカンクネンのセリカが入る。
93年はカストロールカラーに変わったセリカ、カンクネンの優勝をはじめ2、3、4位を独占した。
ランチアに代わり台頭したのがフォード。サファリの後2戦連続でフォードに奪われたトヨタは、ようやくアルゼンチンで優勝。
トヨタを脅かすもうひとつのメーカーがスバル。マクレーがスバル・レガシィでWRC初優勝を飾った。
カンクネンは地元フィンランドで優勝を飾ったものの、2位には同郷バタネンのスバル・レガシィが入った。
カンクネンは1000湖ラリーに続き、オーストラリアでも優勝しWRCを連勝。次戦サンレモをスキップしカタルニアでは3位に。
カンクネンはRACでも優勝、93年5勝を挙げてドライバーズチャンピオンを獲得した。マニュファクチャラーズもトヨタが獲得した。
開幕戦モンテカルロは落としたものの、ポルトガルではカンクネン-オリオールのトヨタ勢が上位を独占。
この年のサファリには三菱の篠塚がランサーエボリューションで優勝を狙うも、地元のダンカン駆るセリカが勝利をさらう。
ツール・ド・コルスでは地元のオリオールが優勝を飾るも、2位にはスバルに移籍したサインツが入った。
94シーズンよりマシンをインプレッサに切り替えたスバル。アクロポリスではサインツがインプレッサの初優勝をプレゼント。
オリオールがグラベルのアルゼンチンでシーズン2勝目を挙げた。2位にはスバルのサインツが入りタイトルを狙う。
前年レガシィで優勝したマクレーは、マシンがインプレッサでも優勝を飾った。オリオールは5位に。
オリオールはサンレモでシーズン3勝目を挙げ、最終戦RACでも6位に入りチャンピオン獲得。トヨタもマニュファクチャラーズを連覇。
逆転チャンピオンをめざしトップを快走中のサインツが痛恨のリタイア。代わって優勝したのがチームメイトのマクレーだった。
オリオールはサンレモでシーズン3勝目を挙げ、最終戦RACでも6位に入りチャンピオン獲得。トヨタもマニュファクチャラーズを連覇。スウェーデンのような雪に見舞われた開幕戦モンテカルロでは、スバルのサインツが優勝した。
三菱はランサーエボリューションを投入して3シーズン目、エリクソンが優勝、マキネンが2位に。
マシンの仕上がりが分かるといわれるポルトガルでサインツが2勝目、3位はスバルのマクレーとスバル勢が好成績。
地元イベントでオリオール+セリカがシーズン初優勝。スバル勢は4~6位でフィニッシュ。
マクレーがニュージーランドでシーズン初優勝。マクレーは93年から同イベントで3連覇となる。
三菱のエリクソンがシーズン2勝目。ドライバー選手権はマクレーがサインツを抜きトップに浮上した。
サインツが地元イベントで優勝するも、マクレーも2位に入り同ポイントで首位に並んだ。
スバル勢同士のチャンピオン争いになった最終戦は接戦の末マクレーが優勝。チャンピオンに。マニュファクチャラーズもスバルが獲得した。日本車しか勝たないシーズンとなった。
この年フル参戦はマキネンだけとなった三菱。開幕戦となったスウェーデンでは三菱のマキネンが優勝を飾る。
マキネンにとり初のサファリラリー出場だった。そのなかでも追うライバルたちを退け優勝しWRCを連勝。
新ラリーのインドネシアはフォードに移籍したサインツに敗れたものの、アクロポリスではマクレー+スバルが優勝、2位にマキネン。
アルゼンチンで早くもシーズン3勝目を挙げたマキネン、ここからさらに2勝を挙げた。
マキネンは地元フィンランドで94年以降3連覇を飾る。96年のチャンピオン争いに加速をつけた。
マキネンがオーストラリアで5勝目を挙げてチャンピオンを獲得。2位以下はこの時点でマキネンに追いつけなかった。
マクレーがサンレモを初制覇しシーズン2勝目。スバルは97年よりWRカーを投入するのでインプレッサ555はこの年で最後となる。
マクレーがシーズン終盤2連勝でシーズン3勝目を挙げた。スバルはマニュファクチャラーズ選手権を獲得。
WR(ワールドラリー)カー時代の97年は、サファリまでスバルが3連勝を重ねた。マクレーはシーズン初優勝。
97年よりマシンもエボリューションⅣにスイッチした三菱。マキネンがようやくシーズン初優勝。
マキネン+ランサーはポルトガルに続いてWRCを連勝。マシンの改良によりターマックイベントで初優勝を飾る。
コルシカに初出場のマキネンは牛との接触でリタイア。マクレーは93年の出場以来初めてコルシカを制した。
マキネンはマクレーに2点差のリードで臨んだアルゼンチンで優勝。ランサーエボリューションは95年の優勝から10勝目。
エリクソンが2勝目を挙げたニュージーランド。グラベルラリー用にナロートレッドを採用し成功した。
4年連続でラリーを制したマキネンだが、2位のカンクネン+フォードとは7秒差だった。
ここまで4連続リタイアを続けたマクレーがようやく優勝。マキネンは3位に入り首位を堅持。
オーストラリアではマキネンを6秒差で振り切りマクレーが連勝、10点差で最終戦のマキネンを追う。
インフルエンザで体調不良のマキネンを尻目にマクレーはアタックを続け優勝。しかしマキネンが6位に入り1点差でタイトルを獲得。
トヨタがカローラWRCを投入。チームに復帰したサインツがライバルを圧倒して優勝を飾った。
モンテカルロはリタイアしたものの、スノーイベントは安定したスピードでマキネンが優勝。
バーンズは96年にスバルから三菱に移籍して以来、ようやく「カリスマGT」でWRC初優勝を飾った。
エンジンの改良に合わせて、駆動系にトリプルアクティブデフを採用したインプレッサ。マクレーがシーズン初優勝。
カローラWRCに採用されたジョイスティックシフトが奏功し優勝。しかしシフトへの負担が大きいためコルシカ以降採用されなかった。
マクレーがポルトガルに続いて優勝。前戦ではタイヤのグリップ不足に悩まされたがSS5でトップに立つとそのままトップフィニッシュ。
カタルニアでデビューしたランサーエボリューションⅤが、ようやくシーズン初勝利を手にした。
マキネンはメカトラブルでリタイア、マクレーはSS16でオリオールをかわしてトップに立つとそのまま優勝した。
サインツ-オリオールとカローラWRCが1-2フィニッシュした。続いてマキネンは3位フィニッシュ。
日本車100勝目はフィンランドで、そしてここを連覇しているマキネン+三菱によって達成された。
フィンランドで見直されたリヤサスペンションが好調。コーナーの連続するサンレモを苦手としたマキネンはここで優勝。
マキネンはオーストラリアで2度のコースアウトをしてもリカバーして優勝を飾った。
バーンズのカリスマGTが優勝。マキネンはリタイアしたものの、サインツのリタイアでチャンピオン獲得。
ライバルが新型WRカーを用意する中、三菱もエボリューションⅥを投入。マキネンはニューマシンデビューを優勝で飾った。
マキネンはSS10でサインツに約12秒差のリードを広げると、そのまま首位を堅持して2勝目を挙げた。
フォードやシトロエンに勝利を奪われる中、スバルのカンクネンが優勝。カンクネンは94年のポルトガル以来の優勝だった。
スバルからマクレーが抜けて加入したバーンズが、2位サインツに1分の差をつけて優勝した。
開幕の連勝が嘘のようにその後不振が続いたマキネンだが、ここニュージーランドでようやく3勝目。
カンクネンはSS8で首位に立つとリードを守り優勝。2位にもスバルのバーンズが。マキネンはSS14でリタイア。
初開催のチャイナ、オリオールとサインツのトヨタが1、3位。2位はバーンズのスバルが入った。
カタルニアから投入した新エンジンも好調、マキネンは4勝目を挙げた。2位にはプジョーWRカーのパニッツィが食い込む。
スバルのバーンズが優勝するも、マキネンが3位に入り4年連続のドライバーズタイトルを決める。
バーンズが終盤連勝。マニュファクチャラーズチャンピオンはトヨタが獲得。そしてトヨタはF1進出のためWRCを撤退。
ライバルのWRカーへ市販ベースのランサーで挑む図式は変わらず、開幕戦で優勝を飾るマキネン。しかしこの年の優勝はこれだけだった。
99年モデルで臨んだスバルは、バーンズ、カンクネンが揃って1-2位を獲得。新井敏弘がインプレッサWRカーでデビュー、6位に。
スバルは2000年仕様のWRカーをデビューさせた。前年の8割を新設計したという。そのマシンでバーンズが優勝を飾った。
前戦カタルニアはマクレーに敗れたものの、ここアルゼンチンでは優勝を飾ったバーンズだが、ライバルの台頭でしばらく苦戦が続く。
バーンズが最終戦を優勝で飾った。今シーズン、69の最多ステージウインを奪ったバーンズだったがタイトルに及ばなかった。
マキネンはSS2で首位に立つと、ライバルをリードしてそのまま優勝。グループAランサーエボリューション最後の優勝となる。
バーンズにとり、シーズン唯一の優勝となったニュージーランドだが、それ以外のイベントでコンスタントにポイントを稼ぎ初のドライバーチャンピオンを獲得。
三菱からスバルに移籍したマキネンはSS11で首位に立つと、ローブを抑えて優勝。マキネン最後のWRC優勝となった。
欧州メーカーのWRカーの台頭で、この年の日本車は2勝のみ。最終戦ではソルベルグが最終日に首位に立ち優勝した。
02年型の改良版で臨んだ2003年、ソルベルグはキプロスで1勝を挙げた。ダンパーをザックスに変更したことが奏功。
前戦フィンランドで2位に入賞したソルベルグ、オーストラリアでは終盤ローブをかわして逆転優勝。
TAGエレクトロニクスと共同開発した統合型ECUにより駆動系制御が飛躍的に向上、SS12で首位に立ちそのまま優勝。
ローブの選手権リードで迎えた最終戦。SS4で首位を奪うとローブの猛追をしのいで1点差でチャンピオンを獲得。
SS22でソルベルグと首位を争っていたグロンホルムがスピン。ソルベルグは4秒差で優勝をもぎ獲った。
ソルベルグは整備ミスで30秒のペナルティが与えられるも、レグ3でそれを跳ね返しシーズン2勝目。
WRC400戦目となった初開催のラリージャパン。ソルベルグは27のステージのうち11を首位奪取して記念イベントに勝利した。
ソルベルグは終盤のスーパーSSで渾身のアタックを敢行、ここでローブに先行しラリーGB3連覇。
イタリアのWRCは昨年までのサンレモから、サルジニア島での開催となった。ソルベルグはサルジニアでジャパンからの3連覇を果たす。
04モデルのインプレッサで臨んだスウェーデン。2位のプジョーのマルティンに2分以上の差をつけて圧倒した。
05モデルの新型インプレッサを投入したスバル。ソルベルグは序盤より首位に立つと、逆転されることなくリードし優勝。
最終SSでソルベルグが首位に立ち優勝。その後スバルも撤退し、日本車の優勝はトヨタが復帰してから2017年まで途切れる。
この年からトヨタガズーレーシングWRTがWRCに参戦開始。その2戦目でラトバラのヤリスWRCが優勝。トヨタにとり18年ぶりのWRC優勝となった。
復帰2勝目は監督マキネンの地元フィンランド。ラッピが2位に36秒差、3位のハンニネンは2位に0.3秒差の3位と速さを見せつけた。
初日から首位に立ったタナックがWRC2連勝。ヤリスWRCはターマックイベントを初制覇した。
ライバルが次々にリタイアするなか、タナック-ラトバラのトヨタ勢が1-2位でフィニッシュした。タナックは3連勝。
ラトバラが優勝、ラッピが4位に入賞。これでトヨタは1999年以来のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。
デイ3で大量リードを築いて首位に立ったタナックは、そのリードを守り自身初となるスウェーデンの優勝を得た。
WRC初開催となったチリ。オジエ、ローブに追われ攻めの走りを続けたタナックが優勝。
僅差で首位に立っていたタナックは、デイ3も2位以下にリードを保ったままフィニッシュ、3勝目を挙げた。
WRCシーズン後半戦のフィンランドはタナックが優勝。「シーズン後半に向けて攻め続ける」とした。
ターマックラリーのドイツは、タナック-ミーク-ラトバラが1~3位とチーム初の表彰台独占となった。
タナックが2位に10秒差で優勝、次戦カタルニアで2位に入り初のドライバーチャンピオンに。