ラリーの最高峰シリーズであるWRC(世界ラリー選手権)の日本ラウンド「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」が、今年11 月10 日(木)~ 13 日(日)に開催される。かつて日本では2004 年から2010 年にかけて北海道でWRCが行われていた。その後しばらく空白期間があったが、満を持して日本ラウンドが復活。愛知県と岐阜県を舞台に、新たなるスタートを切る。
本来ならば、ラリージャパンは2020 年に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2 年連続で中止を余儀なくされた。それだけに「今年こそ!」と楽しみにしているファンはきっと多いだろうが、2022年のラリージャパンはその期待に十分応えられる魅力が満載だ。
2022 年のWRC は参戦車両のレギュレーションが大きく変わり、新たにハイブリッドシステムを搭載する「ラリー1」がトップカテゴリーマシンとなる。トヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードの3 マニュファクチャラーが全力で開発してきたラリー1 は、最大500 馬力程度を発揮する。そのモンスターマシンが、愛知県と岐阜県の一般道を初めて疾走するのだから必見だ。
ラリージャパンが2022 年WRC の、最終戦であることも見どころのひとつ。2021 年は、最終戦のラリー・モンツァ(イタリア)ですべてのタイトルが決まり、トヨタがマニュファクチャラー王者に輝き、トヨタ・ヤリスWRC をドライブしたセバスチャン・オジエが、通算8回目となるドライバーズタイトルを獲得した。それだけに、今年はラリージャパンがタイトル決定戦となる可能性も十分にある。また、現役最強のドライバーであるオジエは、今季数戦にしか出場しないが「個人的にはラリージャパンに出たいと思っている」と述べている。もしオジエの出場が実現したら、それはチャンピオンの走りを生で見る、とても貴重な機会になる。
日本人としては、トヨタの勝田貴元の地元凱旋も非常に楽しみだ。愛知県長久手市出身の勝田は昨年、伝統のサファリラリーでオジエと総合優勝を争い、総合2 位でフィニッシュ。世界のトップで戦えることを証明した。新開発のGRヤリス・ラリー1 で挑む今シーズンはさらなる活躍が期待され、シリーズ最終戦となるラリージャパンではきっと素晴らしい走りを見せてくれるに違いない。
ターマック(舗装路)ラリーとして行われる今年のラリージャパンのコースは、山岳地帯の峠道だけでなく、アクセスしやすい街中にも設定される予定だ。11 月第2 週の週末は家族全員で愛知県や岐阜を訪れ、迫力の走りを楽しみ、優勝やタイトルを争うマニュファクチャラーと選手を応援してみてはいかがだろうか?
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Text:古賀敬介(Keisuke Koga)