第4号

麗しのラリースト

RALLY JAPAN PRESS 第4号

WORLD RALLY CHAMPIONSHIP 2021 REPORT

EKO Acropolis Rally Greece 9/9-12

復活のアクロポリス。驚速ロバンペラがライバルたちを凌駕するシーズン2勝目

ギリシャの首都、アテネからスタートしたアクロポリス・ラリー・ギリシャが2013年以来、8年ぶりに世界ラリー選手権(WRC)の一戦として復活開催された。新型コロナウイルスの影響により開催が中止されたラリー・チリの代替イベントとして久しぶりにWRCのカレンダー入りを果たした形だ。シリー
ズ争いも終盤に差し掛かる大事な一戦は初日に行われたSS1(ターマック)とメインとなるグラベルの全15ステージが舞台となる。本格的なグラベル・ラリーがスタートしたデイ2では、選手権ランキングで2、3位につけているエルフィン・エバンス(トヨタ)とティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)がトラブ
ルで上位争いから早々に離脱。調子を上げてきたのはヒュンダイのエース、オィット・タナクとトヨタの若武者、20歳のカッレ・ロバンペラだ。特にロバンペラは圧倒的な強さ、速さを見せ、デイ3ではオープニングステージのSS7から4ステージ連続でステージウインを達成。デイ2終了時点ではわずか3.7秒だったタナクとの差を30.8秒(デイ3終了時点)まで引き離してみせた。最終パワーステージも制したロバンペラは他を一切寄せ付けず、圧巻の今シーズン2勝目を飾った。

Red Bull Content Pool
Red Bull Content Pool

セバスチャン・オジエはシリーズ争いを最優先し、安定した強さを見せ、選手権ランキング2位以降に44ポイントのリードを築いてみせた。2~4位は接戦でエバンスが136ポイントで2位、ヌービルが130ポイント、そして今大会で勝利したロバンペラはヌービルとの差、わずか1ポイントと迫っている。残すところあと3戦。選手権争いから目が離せない。

アイテナリー
他のモータースポーツでは馴染みがない言葉だが、ラリーのスケジュールが記載された日程表のことを「アイテナリー」と呼ぶ。1台ずつスタートしてタイムを競うラリーはこのアイテナリーに沿って競技が進行されていく。タイムコントロールの通過時間やスペシャルステージ(SS)のスタート時間、走行距離、ターゲットタイムなどが分刻みで記載されている。

シェイクダウン
モータースポーツ、特にサーキットレースにおいての「シェイクダウン」とは完成したばかりの新車に不具合がないかどうかを確認するためのチェック走行のことを指す。しかし、ラリーにおいては各大会の本番前日に行われるテスト走行のことを指す。大会によって指定されたコースを走行し、マシンの最終調整やタイヤ選択を行う。マシンの仕上がり具合を見ることができるが、実際のコースを走るわけではないのであくまで参考程度と考えておくといい。中には三味線を弾くチームもいるとか、いないとか。

Toyota

セレモニアルスタート
実際の競技とは別に、ファンの前でゲートを通過するイベントを「セレモニアルスタート」と呼ぶ。ラリー・モンテカルロのカジノ前広場など、人気観光スポットで行われることが多い華やかなイベントだ。各国の特徴溢れるゲートデザインにも注目したい。

※写真は2020年のもの。Toyota

リグループ
ラリーは公道を舞台に競われるため、予測できないことがしばしば起こり得る。たとえば、複数のリエゾンやSS を走行するうちに順位が入れ替わったり、信号待ちや渋滞に捕まればラリーカー同士の間隔が開いてしまったりすることもある。「リグループ」とは入れ替わった順番を整えたり、間隔を調整する作業のことを言い、リグルーピングエリアと呼ばれる場所で行われる。また、停止時間中はドライバーたちがマシンから降りてくるため、サービスパーク以外でファンサービスを行ってくれる絶好のチャンスでもある。

Toyota

麗しのラリースト 女性がラリーで活躍できる理由

モータースポーツというと男性のイメージが強い。でも、全日本ラリーや地方選、トヨタガズーレーシングラリーチャレンジ(以後TGRラリー)では、ラウンドによっては15%以上が女性エントラントとることもある。ラリー競技はドライバーとコ・ドライバーがペアとなって戦う競技であることもその要因のひとつのようだが、その理由を探ってみた。
取材協力:クロエリ
写真:クロエリ/廣本泉 取材協力:クロエリ


「ラリー参戦5年目を迎えたものの初めてのMT車。今までCVTドライバーとして走ってきたのでスタートすらできないかもしれないという不安を楽にしてくれたのが、他チームの女性コ・ドライバー(以下コ・ドラ)の方々でした」と語るのは、全日本ラリー第6戦モントレー2021にドライバーとして参加したクロエリ選手だ。

激戦のJN1クラスでは、若手ドライバー山本悠太選手のコ・ドラに立久井和子選手が起用されている。

「どのラリー競技でも共通することは、クルーは軽いほうが有利。とはいえ軽いだけで女性が選ばれているわけではなく、全日本ラリーで活躍するベテラン女性コ・ドラの皆さんは、とにかく気遣いの天才!周囲の状況を把握する力があり、イレギュラーな場面でも動じずドライバーを不安にさせません。そして現場を和ませる力を持っている人が多く、現場が円滑に進みやすいと思います。もちろん女性ならではの切り口でズバッと発言し男性顔負けのパワーを持っている人もいます」と語る。

JN6クラスでドライバーズランキング2位を走るのは水原亜利沙選手。ドリフトドライバーとしても活躍している。

また、若手ドライバーがベテラン女性コ・ドラと組み成長を促すケースもあるようだ。異性の声のほうが頭に入りやすく、男性ドライバーが迷わず女性コ・ドラを起用していることも少なくないという。JN1クラスポイントリーダー(全日本ラリー第9戦終了時)の福永修選手は、コ・ドラの齊田美早子選手に対して「メンタル的に辛いときもとても頼もしい」とその存在を称える。

JN1クラスでランキングトップを走る福永修/齊田美早子組はシュコダ・ファビアR5で参戦。
2021年シーズン終盤に入り、開発が進むGRヤリス勢を振り切れるか!?
JN5クラスで早くもチャンピオンを決めた井上裕紀子選手は12年連続14回目のコ・ドライバータイトル獲得だ!

「初めてのTGR ラリーにクロエリ選手とペアを組んで参戦したときに、『あれ、女性でも挑戦しやすいモータースポーツかも!?』というイメージを持ったことを覚えています。二人一組で助け合ってお互いに補いながら戦えたことで、自分でもこれだけできるんだ、という達成感を得られました。最初はコ・ドラとしてなかなかうまくできなかったのですが、最後のSSでお互いのリズムで走れたと分かったことがありました。このときは本当にクロエリさんと一緒に感動しました!」とは、クロエリ選手のコ・ドラとしてTGRラリーにデビューし、現在は全日本ラリーに参戦中の梅本まどか選手だ。

梅本まどか選手はSKE48を卒業後、憧れだったモータースポーツの世界に飛び込んだ。

2 0 1 7 年からは女性のためのラリー「WOMEN’S RALLY in 恵那」(旧名称L1ラリー)が開催されている。また、初心者のためのデビューラリーとしてはTGR ラリーも多くの女性ラリークルーを集めている。モータースポーツに興味はあるけれど……と二の足を踏んでいる女性の皆さんには、ぜひラリーへのチャレンジをおすすめしたい!

ラリージャパンのコース安全を見守るミッシェル・ムートン

Red Bull Content Pool

ミシェル・ムートンは、1981年のサンレモラリーで女性初のWRC優勝、1982年には年間ランキング2位となったレジェンドドライバーだ。引退後は世界自動車連盟(FIA)に所属。2010年にFIA初の女性役員に就任するとともに、女性のモータースポーツ参加を促進するための組織「FIA Women in Motorsport Commission」の議長に就任している。また、FIAの安全委員代表としてWRCの各ラリーを検証し、もちろんラリージャパンのSSコース安全確保のための助言も行っている。

2021年シーズン、タイトルを争う天王山

全日本ラリー選手権第9戦『RALLY HOKKAIDO』が9月11~12日に開催された。この大会を含めて今季残り3戦とチャンピオン争いを占う天王山となった一戦を制したのは、第7戦で初勝利を飾った勝田範彦/木村裕介組。これでJN1クラスのタイトル争いはシーズン序盤にターマックで3連勝を挙げている福永修/齊田美早子組とグラベル2連勝の勝田/木村組との一騎討ちとなる。なお、JN5クラスは天野智之/井上裕紀子組が、JN6クラスは吉原將大/石田裕一組が2戦を残してタイトルを確定している。

ラリージャパン公式グッズ情報 新作! オリジナルマスクが登場

デザインマスク(2色セット) ¥2,000(税込)

ラリージャパン公式グッズにマスクが登場! 疾走感のあるオリジナルデザインとなっており、2色セットでの販売です。長時間付けていても耳が痛くなりにくい伸縮性のある柔らかい素材を使用しています。立体形状もあってフィット感も抜群。洗って繰り返し使える点もポイントです。

『 フォーラムエイトセントラルラリー2021』の開催が決定

ラリージャパンが予定されていた11月12~14日、豊田スタジアムをスタート/フィニッシュ地点とし、愛知、岐阜の両県に跨いだノンタイトル戦『フォーラムエイト セントラルラリー2021』が開催される。残念ながら2021年のラリージャパンは中止となってしまったが、この大会は来年に向けての布石になるだろう。

■日時:2021年11月12日(金)~14日(日)
■開催エリア:愛知・岐阜

会場先行販売! 限定ナイトラリー仕様のミニカー

ラリージャパン事務局特注 1/43 トヨタ ヤリス WRC No.18 2021 勝田貴元

ラリージャパン事務局特注のレアな一品が『セントラルラリー』で手に入る。2021 年のWRC を戦う日本人ドライバー、勝田貴元が駆るヤリスWRC の1/43ミニカー(SPARK)は開幕戦モンテカルロ車をモデルとし、ライトポッドがついたナイトラリー仕様だ。

ラリージャパン応援サポーターが行く

まちぶラリージャパン2021 in 愛知&岐阜!!

フォーラムエイト・ラリージャパン2021の開催を予定していた各地市町の魅力やコースをラリージャパン応援サポーターが紹介します。気になる動画はフォーラムエイト・ラリージャパン2021のYouTubeチャンネルにて公開中!お見逃しなく。

愛知県豊田市

ラリージャパン応援サポーター 藤木由貴・堀尾実咲

サービスパークになる予定だったのはサッカーの開催地として有名な豊田スタジアム。まちぶラリージャパン2021の豊田市編はここからスタートです。シェイクダウンの予定地でもあった鞍ヶ池公園には、映画「僕と彼女とラリーと」で使用されたクルマも展示されているんですよ。2019年に開催されたセントラルラリーで勝田貴元選手がドライブするヤリスWRCが駆け抜けた熊野神社前のコースにも行ってきました。

愛知県長久手市

ラリージャパン応援サポーター 美月千佳・宮本りお

ラリージャパン2021のメイン会場予定だったモリコロパークはパワーステージの舞台となる予定の場所でした。近くには世界の自動車とクルマ文化の歴史を学べて、名車も見ることができるトヨタ博物館や、木のぬくもりを感じることができる最新スポット『リニモテラス』もありますよ。

愛知県名古屋市

ラリージャパン応援サポーター 美月千佳・宮本りお

愛知県の県庁所在地、名古屋市はセレモニアルスタートが予定されていた場所でした。評判の最新スポットでフレンチトーストを食べたり、『東山動植物園』でコアラに癒されたり、締めには名古屋城の敷地内にある金シャチ横丁で名物・ひつまぶしもいただいてきました。一日中、かわいいとおいしいがいっぱいの旅でした。名古屋ならアクセスも便利だし、また行きたいな。

愛知県新城市

ラリージャパン応援サポーター 藤木由貴・今井みどり

全日本ラリー選手権の一大ラウンド、『新城ラリー』の開催地としても知られている新城市。もちろんラリージャパン2021でもSS9とSS14で走行予定でした。大自然とスポーツが楽しめる鬼久保公園で五平餅を食べてから、『からあげ屋もっくる』さんのある道の駅もっくる新城を出発し、ラリージャパンのコース予定だった本宮山スカイラインを実際に走ってきましたよ!ここを走り抜けるWRカーが見たかったなぁ。

愛知県岡崎市

日本100名城のひとつである岡崎城がある岡崎市は、SS10、SS11の舞台になる場所でした。お茶屋さんが営む古民家和カフェ『宮ザキ園』さんではとてもおいしいかき氷をいただきました。岡崎市では春から夏にかけて『おかざき かき氷街道』がオープンしているんですよ。もうひとつ、八丁味噌発祥の地である岡崎市ならではの歴史と伝統が受け継がれているお店『カクキュー』さんでは味噌樽も見学してきました。ここで食べることができる味噌ソフトクリームは一年を通して人気の商品だとか。

愛知県設楽町

ラリージャパン応援サポーター 藤木由貴

豊かな自然に囲まれた設楽町では『道の駅したら』が2021年5月にオープンしたばかりです。お食事やお土産などはどれも郷土愛が詰まったものばかり。併設されている郷土資料館では設楽町の自然と歴史を学ぶことができます。すぐそばを流れる寒狭川はいい鮎が釣れることでも有名とあって、とってもき
れいな水が流れていました。ついつい誘われて水遊びも(笑)。

岐阜県中津川市

ラリージャパン応援サポーター 美月千佳

SS18の舞台となる予定だった中津川市は、根の上高原の宿泊施設『あかまんまロッジ』の前を通過する難関SSの一つでした。私たちはその林道を通って、付知峡渓谷へ行ってきましたよ。マイナスイオンをたくさん浴びて、癒される~! そして、大自然のなかで体験した流しそうめんも、宮島キャンプ場での水遊びも楽しかったです。11月は少し寒いかもしれませんが、夏休みに足を運ぶのもおすすめです!

岐阜県恵那市

ラリージャパン応援サポーター 宮本りお

恵那市はSS17で走行予定だった場所です。リエゾンで走る予定だったのは古い街並みを残す岩村地区。なかでも200年以上の歴史を持つ『松浦軒』さんのおいしい水まんじゅうや、1787年創業の『岩村醸造』さんの銘酒「女城主」は最高です。恵那市と中津川市をまたいでいる根ノ上高原の『国民宿舎恵那山荘』さんでもおいしいお料理をいただけて、とにかく「おいしい旅」でした。

RALLY JAPAN PRESS

東京オートサロン2022号

新世代WRC 愛知・岐阜で目撃せよ

2022年世界ラリー選手権カレンダー
フォーラムエイト・ラリージャパン2022の見所にフォーカス

詳細はこちら

OFFICIAL SNS

フォーラムエイト・ラリージャパン2022公式SNS