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トヨタ勢最上位も「納得いかない週末」と勝田貴元。ミスとトラブル、チームの不振も重なったWRCギリシャ

WRC
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 WRC世界ラリー選手権に唯一フル参戦している日本人ドライバーの勝田貴元。TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、9月8~11日にギリシャで開催されたシーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』に参戦し、総合6位でフィニッシュした彼はイベント後の合同オンライン取材会において、「ミスもあり全然納得のいくような週末ではありませんでした」と今戦を振りかえった。

 初参戦となったギリシャのグラベル(未舗装路)イベントで、トヨタ勢最上位となる総合6位入賞を果たし、開幕戦から続く完走記録を「10」に伸ばした勝田だが、取材時の声のトーンは低く、明らかに満足のいくラリーではなかったことが窺えた。

 その要因のひとつが木曜のシェイクダウン時から感じられたクルマのグリップ不足とパワー不足。これは勝田だけだなく、トヨタ陣営全体がこの週末に悩まされた課題となり、競技開始前にはクルマの改善についてのミーティングやドライバー間での情報共有が行われたという。

 昨年はレッキだけの参加となったため、今大会に向けて前年大会のレッキのビデオや他のドライバーのオンボードを見て準備をしてきた勝田にとって、アクロポリスのステージの滑りやすさは想像以上だったようだ。

「持ち込みの状態から非常にグリップ不足に悩んだというのも影響してるかもしれないのですけど、自分が想像していた以上にグリップがなかった」と勝田。

「『グリップしそうだな』と思っていたセクションでもあまりグリップしなかったので、そういう部分はギリシャ特有というか、トルコもそうですが、この地域特有のグリップレベルの低さなのかなと感じました」

 クルマのセッティングの部分でもとくに苦労したフルデイ初日の金曜日には、自身のペースノートのフィーリングにも悩まされた。

 とくにSS2と再送ステージのSS4については「あまりにも(ペースノートが)うまく作れていなかった」と自己評価した勝田は、「最初のSS2がそんな状態だったので、その後がすごく不安だった」と苦笑を浮かべながら語った。

 幸いデイ2のその他のステージでは「意外と大丈夫でした」と言うが、今後に向けて、より正確なペースノートを作っていくためにミスの原因を見つけ、修正していくという。

 これらの問題に直面した金曜は総合10番手と大きく後れをとった勝田だが、今回のアクロポリス・ラリーではトヨタ全体として『GRヤリス・ラリー1』にペースがなく、そこにアクシデントやメカニカルトラブルも加わり、まさに踏んだり蹴ったりの状況だった。

勝田貴元はTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからWRCにフル参戦している
勝田貴元はTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからWRCにフル参戦している
グリップ不足やセッティングのミスマッチに悩み、なかなかペースを上げることができなかった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)グリップ不足やセッティングのミスマッチに悩み、なかなかペースを上げることができなかった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)

■非常に反省点の多いラリーとなるも「全ステージを走れたことは今後につながる」

 具体的には、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラが競技3日目にドライビングミスで順位を大きく落とした。また、同じ日に総合2番手につけていたエサペッカ・ラッピのクルマに燃料系のトラブルが発生。戦線離脱を余儀なくされる。さらに最終日には、表彰台を争う位置にいたエルフィン・エバンスもエンジン関連の問題でリタイアとなっている。

 勝田もデイ4でクルマのトラブルに見舞われた。「パワーステージの直前、リエゾンで水が漏れているの発見しました。それも少しではなく、エンジンルームから水蒸気が出るくらい多くの水が漏れていました」と当時の状況を説明した勝田。

「確認したところラジエーター自体にダメージはなく、どこか別の場所から漏れていたようです」

 結局、その後も水漏れしている箇所が判明しなかったため、勝田は冷却水を継ぎ足しつつ、チームとの相談のうえでエンジンをセーフティモードにして最終ステージを走破している。

 なお、彼によるとサービスに戻ってきた時点でも漏水箇所は判明しておらず、「これから(場所とトラブルの)原因を探っていく」とのことだ。

 陣営内で相次いだマシントラブルについて、チーム全体が「非常に驚いた週末だったのではないかと思う」と勝田は述べた。

 チームから注意喚起のインフォメーションはあったか、との質問には「皆に同じようなトラブルが出始めるとそういった情報も入ってきますし、そうではなくても大抵は『なにが問題だった』という話が入ってくるのですが、今回はそれぞれ原因が違ったので……」

「本当にこんなことがあるんだな、というくらい踏んだり蹴ったりで、いろいろなことが続いて起こりました。その中で、もちろん注意はしていましたが、それ以上に僕だけでなくチーム全体が非常にびっくりした週末だったんじゃないかと思います」

「ただ、こういった(うまくいかない)週末もシーズンの中にはあるもので、その中でどう対応していくかというところで僕自身もチームもうまく合わせられなかったですし、最終的にうまく決まったところも見つけられなかったので、非常に反省点の多いラリーだったように思います」

“今年一番の不振”とも言える、チーム全体にとって厳しいラリーとなった今戦について反省の弁を口にした勝田だが、初参戦となった難関グラベルラリーのアクロポリスを走破したことは彼自身、ポジティブに捉えている。

「今回のギリシャに関しては初参戦だったこともあってドライバーとしての多くの発見があり、いろいろと経験ができまたした。ですので最後まで全ステージを走れたことは今後につながると思っています」

 事実、ラリーは経験がものをいう競技であり、この経験が来季のギリシャや次戦のニュージランドなど他のラリーイベントでの活躍に活きる材料になるはずだ。

勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

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