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【国沢光宏】WRC 第9戦 イープル・ラリー・ベルギー観戦放浪記

WRC

水素エンジン搭載のGRヤリスが走行 ドライバーは豊田章男社長だった!

ラリージャパン・スペシャル応援団であり、自動車ジャーナリストの国沢光宏さんが、8月19日から21日にかけて開催されたFIA 世界ラリー選手権 第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」を現地取材。そのレポートをお届けします。

ユハ・カンクネン(左)と肩を組んで写真撮影を行うモリゾウ選手こと、豊田章男社長。

 WRCベルギーの取材を決めた時点では「WRCイープルで水素エンジン搭載のGRヤリスを走らせるらしい」という情報しかなかったものの、フタを開けてみたら土曜日のドライバーは、なんとモリゾウ選手こと、豊田章男さん! 日曜日もユハ・カンクネンのコ・ドライバー役としてWRCのコースを堪能したという。このあたりの状況は、『クリッカー』で詳しく紹介しているのでご一読頂ければ、と思う。
 新型コロナ渦のためしばらくWRCの現場に行けなかったものの、今年5月から帰国時の隔離がなくなったのを受けWRCポルトガルへ。そしてベルギー。いずれもラリーの本場である欧州の伝統あるイベントということもあり、素晴らしい盛り上がりでした。


 WRCベルギーの拠点となったのは、イープルという欧州でよく見られる古い城壁に囲まれた伝統ある街。中心地に大きな教会があり、その周りにはテラス席のあるレストランが軒を連ねる。そのど真ん中にサービスパークを設けた。日本で言えば豊田市や恵那市の市街地をイメージして頂ければいいと思う。普段はゆったりした時間が流れている古都ながら、写真のようにラリーという”お祭り”を見に来た人達で大賑わい。SS(競技区間)へ行かない人も賑やかさに惹かれて街にやってくるそうな。


 サービスパークには昼と夜にラリーカー&ドライバーが戻ってくる。観客席から遠くて見えない場所にピットのあるF1と違い、WRCは1m先で整備を受けている車両など見られ、3m先にドライバーもいる(さすがにサービス中は余裕ないためサインしてもらえないです)。ラリージャパンもサービスパークの入場券を入手すれば目の前でサスペンションの交換などの作業が見られます。


 欧州本土で行われるWRCのSSは基本的に入場無料。ただベルギーの場合、SSの観戦エリアは畑の中。ダイコンやニンジン、ジャガイモを現在進行形で育てている。そこにたくさんの観客が来て畑の中を歩くんだから被害が出ます。そこで駐車場代を取り農家に払っているという。幸いラリージャパンは11月。収穫後の田んぼや畑を観戦ポイントとし、駐車料金を取ればいいと思う。


 SSからSSまでの移動は「リエゾン」と呼ばれる。ラリーカーが普通の街中を通り抜けて行く。ポルトガルなどはリエゾンの見物者も多い。自分の家の前に椅子を並べてワイン飲んでいる人や、ロータリー等でカメラを持っている人を多く見かける。日本の場合、帯広で行われた時のWRCは欧州に負けないくらいリエゾンを見に来ている人が多かった。WRCのプレイベントのセントラルラリーも同じ。
 今年のラリージャパンは人口の多い地域を通るため、おそらくWRCで最もリエゾンの観客が多いイベントになると思う。私は案外リエゾンの盛り上がりで世界に知れるWRCになるのかな、と予想しています。写真映えのする岩村の旧市街など通るリエゾンにすると、世界中に発信されるに違いない。ラリー開催地で有名になればインバウンドだって大いに期待していい。


 そして競技区間。SSは「スペシャルステージ」と呼ばれ、多くは公道を占有して行われる。ベルギーだと大半が農道。サーキットと違い「生きている道」なので、コース幅やコース脇の状況は様々。農地のため道の両側は基本的に土。イン側の車輪を落として(カットインと呼ばれる)走る。ただ外側輪まで土の上を走るとグリップしないし、そもそも石など大きな障害物が隠れていることもある。
 ラリージャパンのコース詳細は発表されていないものの、セントラルラリーで使われたコースを見るとカットインは多数ある。サイドブレーキを引っ張ってタイトターンするような場所もある。欧州のターマックラリーと比べ、魅力度では負けていない。今年は限られた観戦場所しか用意されていないが、今後、様々な場所で走りを見られるようになるだろう。
 そうそう、欧州WRでコースアウトしたクルマを観客が引っ張り出すシーンを見ると思う。厳密に言えばサービスパークを出た車両はオフィシャルしか触れない。観客が触ると失格。とはいえ伝統のある欧州では観客じゃなく「森や山に住む妖精」が出てきて助けてくれるという解釈になっている。残念ながら日本は妖精を養成(駄洒落失礼)するのに少し時間掛かると思う。
 そんなことを考えながらラリージャパンを楽しみにしてください。

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