WRC第7戦ラリーエストニア(グラベル)は、Mスポーツ・フォードにとって非常に厳しい展開となりました。フランスの若手、アドリアン・フルモーの7位がチーム最上位。エースドライバーのクレイグ・ブリーンは、トップ3タイムを連発したものの、金曜日の午前中にインカット防止のブロックにヒットして、早々に脱落(30位で完走)を余儀なくされています。また、ピエール‐ルイ・ルーベとガス・グリーンスミスの若手ふたりも、最終日にリタイアとなりました。
Mスポーツ・フォードのチーム代表、リチャード・ミルナーは、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1で参戦する若手ドライバーをサポートすべく、チームにもうひとり経験豊富なドライバーを投入するプランを模索しているようです。
シーズン開幕戦のラリーモンテカルロでは、セバスチャン・ローブがチームに勝利をもたらしましたが、今シーズンはここまで1勝のみ。さらに、その頼みのローブの参戦も限定されています。ミルナーは、孤軍奮闘するエースのブリーンをサポートする、安定感のあるドライバーの加入が、将来の成功への扉を開くと考えています。
「チームを引っ張るドライバーがリタイアしたり、トラブルに見舞われた時は、ネガティブな流れになるものです。そうなった場合、トップ3に挑戦するのが難しくなってしまいます。もうひとり、実績のあるドライバーがいれば、表彰台を狙えるはずです、残念ながら、現時点では実現できていません」
「フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1に戦闘力があるのは分かっているので、どうすれば状況を変えることができるのか、資金調達も含めてアイデアを出し続けるしかありません。クレイグには十分な能力がありますが、たったひとりでチームを率いるのはプレッシャーが大きすぎるのです。現状は追加でドライバーを獲得するための予算があるとは言えませんが、サポートできるドライバーの起用はアイデアのひとつです」
現在、トヨタやヒョンデに加入していない経験豊富なベテランドライバーとしては、かつてフォルクスワーゲンやヒョンデに在籍したアンドレアス・ミケルセン(写真)、シトロエンやトヨタで活躍したクリス・ミークの名前が挙がっています。
協力:RALLYPLUS.NET 写真:M-SPORT、SKODA