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データ上は改善もドライバーの印象は「違和感なし」単純比較ができず、効果が見えづらいWRCカーのアップデート

WRC
as-web.jp

 7月14日から17日にかけて、東欧エストニアで開催されたWRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・エストニア』。既報のとおり、超高速グラベル(未舗装路)ラリーであるこのラウンドに向け、TOYOTA GAZOO Racing WRTはシリーズ最高峰を戦うマシンである『トヨタGRヤリス・ラリー1』にアップデートを投入した。具体的には、改良されたエンジンと新型リヤウイングが採用されているが、この変化についてラリー後のオンライン・グループインタビューに応じた勝田貴元に話を聞いた。

 自身5度目の出場となったラリー・エストニアで初めて完走を果たし、総合5位フィニッシュにより開幕戦からの連続入賞回数を「7」に伸ばした勝田。彼がドライブするトヨタGRヤリス・ラリー1にも、今回ほかの3台と同様にアップデートが入った。

 エンジンの改良によるフィーリングの違いはあったかとの問に、勝田は比較ができていないことを理由に挙げたうえで、どこが変化しているのか「実際には分かっていない状態」だと語った。

「(第6戦の)ケニアからエストニアのテストに来た段階で、すでに新しいエンジンが載っていました。また、ステージのタイプも(ケニアと)まったく違う、グリップが高くハイスピードのステージを走るという感覚だったので、なかなか比較というものができず、自分の中でも『どこがどう速くなったか』というのは実際には分かっていない状態というか、違和感がなく大きなアップデートという感覚はなかったです」

「もちろん、同じテストコースで旧型のエンジンと比較をすれば、『ここがいい、あそこが悪い』というように評価ができると思います」

「しかし、ケニアのように標高が高くそもそもエンジンパワーがない所や、ルーズグラベルとラフな路面のサルディニア、ポルトガルといったところからスムーズな路面のエストニアに来たので、そこでの(直接的な)比較は難しいですね」

 勝田によれば、そのような感覚の中でもポルトガルで感じたアップヒルでのパワーのなさは、今回はまったく感じなかったという。

 また彼は、他車との比較したときの最高速であったり、ジャンクションの立ち上がりからどのように速度が伸びていくかという部分で比較すると、明らかに以前より良くなっているように思うと述べた。

WRC第7戦エストニアで改良型エンジンと新形状のリヤウイングが投入されたトヨタGRヤリス・ラリー1
WRC第7戦エストニアで改良型エンジンと新形状のリヤウイングが投入されたトヨタGRヤリス・ラリー1

 

「そこはアップデートの効果が間違いなく出ていると思います」と付け加えた勝田。

「データを見れば速くなっていると思いますし、かなり改善されていると考えています」

「ただ、ドライバーからのフィーリングでは『ここが格段に良くなった』という感覚はそこまで感じなかった、というのが本音の本音です」

「リヤウイングも同じで、こちらに関しては一応比較はしたのですけど、ダウンフォースが明らかに増えたとか(それによってクルマが)明らかに速くなったという感覚的な部分でとくに大きな変化はなかったかな、と思っています」

「とはいえ、いろいろなデータの方で速くなっている数字は取れていると思います。今までのクルマもそうでしたが、ドライバーのフィーリングで感じられない部分はデータを信用して、あとはデザイナーさんたちを信頼しているという感じです」

 たとえ同じステージであっても、複数回走ることによって表面のグラベルが掃き出され路面コンディションが変化するグラベルラリーにあっては、場所が変わればそのキャラクターもサーフェスもまったく異なるものになる。それは、見た目から判るようなアップデートでもドライバーの感覚的には変化を感じとりづらい状況を生むようだ。これはサーキットレースに比べて各ラウンドの環境が極端に異なる、ラリーならではものと言えるだろう。

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