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現地でも続いたカイゼン。WRCケニアで3位入賞の勝田貴元「壊れないクルマを作ってくれたチームに感謝」

WRC
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 6月23日から26日にかけて、東アフリカのケニアで開催されたWRC世界ラリー選手権第6戦『サファリ・ラリー・ケニア』において、日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3位表彰台を獲得した。2年連続でポディウムフィニッシュを果たしたイベント後、オンラインでの合同取材に応じた勝田は、過酷なラリーを耐え抜く強いクルマを作ってくれたチームを誇りに思うとともに、感謝の気持ちが大きいと語った。

 自身2度目となるWRCの表彰台を獲得したラリーのあと、「チームとしての強さが際立った」と今戦を振り返った勝田の言葉が示すとおり、彼が所属するTOYOTA GAZOO Racing WRTはこのケニアでチーム初、トヨタとしては1993年以来、29年ぶりとなる1-2-3-4フィニッシュを達成している。

 シリーズ元9連覇王者のセバスチャン・ローブが、かつてのサファリ・ラリーと比べてもこれ以上ないほど過酷なコンディションと評した今大会。ライバルチームのマシンが次々に悲鳴をあげて脱落していくなか、トヨタGRヤリス・ラリー1はタイヤのパンクなど小さなトラブルこそあれど1台も欠けることなく、全車が完走を果たし1位から4位までを独占した。

 もちろん、実際にクルマを動かすドライバーとそのパートナーであるコドライバーの力あっての結果だが、チームの献身なしにこの結果は得らなかったと勝田は力説した。

「トラブルを未然に防ぐために、いろいろな改善をしてくれました。もし、それらがなければ間違いなくフィニッシュできていなかったと思いますし、仮にできたとしても非常に大きなロスをして、このポジションでは終われていなかったと思います。大きな準備をしてくれたチームを誇りに思いますし、感謝の気持が大きいです」と勝田は語った。

 具体的にはどのような改善が行われていたのか。彼によると、チームは前戦イタリアからケニアまでの短い期間でサファリ・ラリーの厳しいコンディションに向けた開発を行なっており、それはケニアの現地に着いてからも連日続き、1日単位ではなく1時間ごとに改善されているようなスピード感だったという。

勝田貴元のトヨタGRヤリス・ラリー1。シェイクダウンからグリルメッシュが変わっている。
勝田貴元のトヨタGRヤリス・ラリー1。シェイクダウンからグリルメッシュが変わっている。

■「これではマズい」と感じたテクニカルディレクターの判断

 フロントバンパーのグリルメッシュは、そのなかでもっとも有効に機能した改善パーツのひとつになった。トヨタチームはサファリ向けのグリルメッシュを事前に用意していたが、22日(水)のシェイクダウンを終えた段階でテクニカルディレクターのトム・ファウラーが危機感を覚え、現地で強固なワイヤーメッシュを調達。それをメカニックがスペアのバンパーをを含め4台のクルマすべてに溶接したことで、より頑丈なグリルメッシュを完成させた。

 勝田は実際に、現地でできあがったこのパーツに助けられたという。

「ウォータースプラッシュだったか、ラフなセクションだったかを通過した際にメッシュがラジエーターの方に食い込んでしまうシーンがありました」と勝田は説明した。

「もしも、シェイクダウンで使っていたものや前戦までのグリルメッシュだったら、間違いなくラジエーターにダメージを受けていたと思います。今回改善してもらった部分のおかげで、メッシュの修復だけで済みタイムを失うことなく進めました」

 また、チームはGRヤリス・ラリー1のコクピット内に入り込むダスト(砂埃)対策も現地でより一層の改善を打ち、初日は4台でそれぞれ異なる種類のフィルターが試された。その結果、もっとも流入が少なかったフィルターを翌日から全車に採用し、車内環境の改善に役立たてている。

 勝田はこういった細かい部分まで改善を続けていく部分にチームの強さを感じるとともに誇りを感じていると述べた。

「チーム力というか、現地に来てからもいろいろな改善を進めてくれた、小さなことでも最後まで進めてくれたチームの強さを感じました。厳しいコンディションのなかでもクルマを作ってくれたチームのエンジニア、デザイナー、メカニック、すべての方に感謝したいと本当に心の底から思っています」

現WRC王者のセバスチャン・オジエ(左)と勝田貴元(右) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア

現WRC王者のセバスチャン・オジエ(左)と勝田貴元(右) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア

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