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「ラリージャパンが日本のクルマ文化の転換点になってくれればいいですね」【新井敏弘スペシャルインタビュー】

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メッセージ広告連動企画  第1弾「世界のラリー、日本のラリー」新井敏弘選手

ラリージャパン事務局は「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」を盛り上げるため、4月から雑誌で展開中のキービジュアル広告と連動した著名人によるメッセージ企画をスタートしました。第一弾は、2005年、2007年PCWRC世界ラリー選手権シリーズチャンピオンの新井敏弘選手。世界のラリーを知るベテランドライバーに、ラリージャパンをメインテーマにした、日本のラリーをじっくりと語っていただきました。果たして、12年振りに開催されるラリージャパンの魅力とは?

フォーラムエイト・ラリージャパン2022開催へ向けて

——いよいよ12年振りに開催されるラリージャパンについて、新井選手はどう感じていますか?

「そうですね。北海道時代のラリージャパンはわたしもドライバーとして参加していたので、凄く盛り上がっていたことを思い出しますね。当時、とくに日本人はラリーが好きな人が多いな、ということを目の当たりにしたのを覚えています。北海道での開催でもあれだけの人数が集まったので、もっと気軽に見に行くことができる愛知、岐阜という中部エリアで開催されれば、かなり多くの人が集まるでしょうね。そういった意味でも、とても楽しみです」

——ずばり、ラリージャパンの魅力とは?

「グラベル(未舗装路)でのクルマの動かし方というのは、普通の人ではなかなか分からないと思います。でも、ラリージャパンはターマック(舗装路)のラリーなので親近感を持って見ることができるでしょう。普段、皆さんがステアリングを握って走っている道で開催されるので、ラリーの凄さが親近感をもって伝わると思いますし、見ている人たちが感動しやすいかも知れません。WRCマシンのパフォーマンスの凄さもありますが、なによりも公道でクルマが鍛えられていく、クルマが強くなっていく、というところがラリーの醍醐味だと思います。こういった意味でも、個人的には日本でターマックラリーをやることに対して大きな意義があると思いますし、とても期待しています」

——新井選手が考えるラリージャパンの見どころは?

「民家がある狭い道を駆け抜けるラリージャパンは、とても日本らしい風景が演出されると思いますし、欧米のモータースポーツ文化にまた一歩近づいていくのだと実感しています。いい意味で、ラリージャパンが日本のクルマ文化の転換点になってくれればいいですよね。世界選手権として愛知県、岐阜県で開催されるということは、それだけでも皆さんの意識が大きく変わると思います。北海道のラリージャパンは、あまりクルマが走らない林道などをコースとして使っていましたので、一般の方からすると日常とはちょっと違うと感じていたと思います。しかし、愛知県、岐阜県で開催されるラリージャパンは民家の軒先をレーシングカーが駆け抜けていく、とても夢のある競技イベントだと思います。こういったシチュエーションは、ラリーに対する親近感が湧いたり、モータースポーツに対する意識や見方も変わってくるでしょうね」

ラリーはとてもフレンドリーで、ファンに近いところにいる競技

——WRCで活躍してきた新井選手は、ラリージャパン開催をどう見ていますか?

「今年は世界ラリー選手権が日本で12年振りに開催されるわけですが、ここ数年を振り返ってみると、しばらくは日本の自動車メーカーが不在の時代がありました。WRCは年間シリーズ十数戦と決まっているなかで日本でも開催されるということは、やはり海外から見てもプロモーションになる市場であると評価されているのだと思います。そうでなければ、WRC開催地として選ばれることはないでしょう。かつては日本の自動車メーカーだけで3社、4社が出ていた時代もあり、当時であれば日本開催も当たり前だったかも知れません。しかし、現在WRCに挑んでいる日本の自動車メーカーはトヨタだけですので、日本市場はマーケティング的にも重要であると判断されたのだと思いますね」

——新井選手はラリーに加えてレースにも挑んでいましたが、ラリーとレースの違いをどう考えていますか?

「一番は規模の違いだと思います。例えば鈴鹿サーキットでF1を開催するといっても、言ってみればサーキットの中だけでイベントは完結するじゃないですか。しかし、ラリーの場合、ラリージャパンであれば豊田市、岡崎市など複数の公道で広いエリアを使って開催されます。競技を支えるオフィシャルの数も、のべ人数で数千人規模になるでしょう。また、競技エリアは一般の方の生活圏にも入るので、その規模や運営側の労力はレースとはまったく違います。サーキットで開催するレースと違い、公道を使うラリーはモータースポーツそのものが認知されないとできないことです。また、自治体の協力も不可欠である一方で、規模が大きいということは、その経済効果も相当大きいと思います。トータルのギャラリー数を計算すれば、F1よりもWRCのほうが上でしょうね」

——ファンの視点で見ると、レースとラリーの違いというのはどんな部分にあるのでしょうか?

「ラリーの魅力のひとつとして、選手とファンの距離がとても近い、という点が挙げられます。レースの場合、ピットの中に選手が入ってしまうとファンの方がそこへ入っていくことができません。もちろんラリーにもサービステントという場所がありますが、ラリーの選手はファンとの交流を大切にして気軽にサインに応じます。これはわたし自身がWRCに参戦していて感じたことです。また、一般道で併走したりすることもあるので、ラリーはとてもフレンドリーでファンにとても近いところにいる競技だと思います。それがラリーの魅力です」

——では、ラリーという競技の難しさについて教えてください。

「ラリーはドライバーとコ・ドライバーとのコミュニケーションが勝敗を分ける大きなポイントとなりま す。下見でゆっくり走ったところをペースノートで数値化、可視化して、競技中はコ・ドライバーが言葉 にした情報を聞きながらドライバーは走っていきます。それはコ・ドライバーだけの判断でなく、ドライバーとのあ・うんの呼吸が求められるのです。ドライバー側が求める情報というのは、早すぎてもダメ、遅くなってもダメ⋯⋯そんな絶妙なところが大切で、本当にふたりで一緒にならないと速く走ることできません。それがラリーの面白いところであり、大変な部分でもあります。人と人のコミュニケーションなので、良い時もあれば、悪い時もある。とてもメンタルが大切な競技です」

ある意味で、WRCというのは公道を走るF1だと思います

——新井選手は、2005年、2007年に世界ラリー選手権でチャンピオンを獲得しましたが、チャンピオ ンになって変わったことはありますか?

「世界選手権に挑戦した当初は、日本と世界の差がとても大きかったことを覚えています。わたしが戦っていたプロダクションカーはワークスのセカンドグループが大勢いました。そのなかで勝つことができたのは、自分自身にとっても自信につながりました。日本で腕を磨いて世界に行っても通用することが感覚的にも分かったことが、当時の自分が大きく成長できたのだと思います。ヨーロッパに住んでシリーズを戦わなくても、充分に渡り合えたことが良かったのですが、もう少し若いときに挑戦できれば良かったとも感じましたね。世界選手権に挑戦を始めたときには、すでに30歳を超えていましたから、25~26歳で世界選手権に挑んでいれば、もっと違う景色が見えていたのかも知れません」

——現在、WRCでは勝田貴元選手が活躍しています。

「貴元はとても一生懸命走っていると思います。自分自身と重ね合わせてみると、色々な部分で大変であることも分かります。日本人だから、という偏見がある一方で、ある程度速く走れるようになると外国人の見方も変わってくる。コイツのために頑張ろう、という雰囲気が出てくるのですが、いまの貴元はそこにいると思います。あと一歩でレギュラードライバーと同じところまでいく。本当にもう少し、ひと皮剥けてくれるといいと思う。もっと競って、頑張ってもらいたいですね。英語もしっかりとしゃべれるようになり、チームスタッフと打ち解けてきたと思います。インタビューを聞いていると優しい感じも出ているので、そんな優しさとともに、勝負すべきところの強さとの使い分けがうまくできると、もっといいでしょうね」

——今年からWRCは新しい車両規定のラリー1に切り替わりました。

「今年のモンテカルロを見ましたが、ハイブリッドモーターのブーストがかかるとトータル出力で500馬力は出ています。大体50~100km/hの速度域でモーターが補助する一方で、100km/hを超えるとエンジンのみの走行になると思います。そう考えると、ラリージャパンのコースは50~100km/hが一番使う速度域なので、とても加速感のある走りが満喫できると思います。公道でクルマの凄さが分かると言いますか、 自分が普段乗っているクルマと重ね合わせて見ると、WRCの凄さが分かるでしょうね。ある意味で、 WRCというのは公道を走るF1だと思います。観戦チケットを入手して、ぜひともライブでWRCの魅力を体感してほしいですね」

【PROFILE】 新井敏弘 TOSHIHIRO ARAI

スバル・インプレッサWRX STIを駆って、全日本ラリー選手権 (JRC) 、世界ラリー選手権 (WRC) などで活躍する日本を代表するラリースト。2005年、2007年にはPCWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)チャンピオンを獲得した、日本人唯一の世界ラリー選手権チャンピオンである。1966年12月25日生まれ。群馬県出身。群馬大学工学部卒。趣味はサッカー、スキー。

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