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「最初から100点満点はもらえません」豊田章男社長、そして山本左近議員が語る12年ぶりのラリージャパン開催の意義

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 12年ぶりの日本開催、そして新型コロナの影響で本来なら2020年に開催される予定がキャンセルとなり、3年ぶりに実現したWRC世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン。開催初日の11月10日(木)の最初のSS(スペシャルステージ/一般道を閉鎖した特別区間でタイムアタックを行うセッション)からSS4までキャンセルになり、その後もSSのスタートが遅れるなど波乱の進行となっているなか、競技3日目の時点の感想として、トヨタの豊田章男社長がメディアの取材の応えた。また、今回の開催に当たって法整備などの面で尽力した自由民主党モータースポーツ議員連盟、衆議院委員議員の山本左近氏にも感想を聞いた。

 競技3日目、岡崎でのSS前でのユハ・カンクネン、そしてトミ・マキネンのデモランを終えたのち、豊田章男社長がメディアの囲み取材に応え、3日目の時点での率直な感想を述べた。

「ラリー会場としての日本での盛り上がりを考えるとすごいと思いますけど、(世界のなかの)WRCの会場としてはまた盛り上がりの仕方に規制がある。本来、WRCというのは陸海空じゃないけど、空からも地上からも、リエゾンの周りとか、SSのなかの道路の両側とか、そういう景色とか、WRCレベルでの盛り上がりで考えると、まだまだ低いと思います。ただ、ここから世界との差がわかったわけです。このWRCの今回の日本での盛り上がりを機に、やはり今後も継続できるよう多くの関係者が努力を惜しまないことが大事だと思います」と、豊田章男社長

「WRCが日本で開催されるのは12年ぶりですし、WRCといえば日本で開催されたのは北海道でしたけど、このいろいろな景色を世界中に国際映像として送れるという意味では、日本のどこで開催しても可能性はあると思うんですよ。ましてや東北地区は復興の現状を全世界に見せることができるチャンスになります。森林が85パーセントを占める国ですし、今回の日本は軽自動車しかすれ違うができないような道がたくさんあるというのは世界中の人たちがわかったと思います(苦笑)。そういう意味で日本の道、日本の景色、そして日本の白いガードレール、今までなんとも思いませんでしたけど、国際映像に映ると『なかなか見栄えがいいじゃん!』 と(笑)。海外の方があのガードレールを見たら、ユニークだと思いますよ。そういう意味では、いろいろな意味で第一歩にしてほしいなと思います。賛否両論はあると思いますけど、やはり続けていくことが文化となっていくと思いますので、世界のなかの日本という立場で応援を頂きたいなと思います」と続ける。

 木曜日の開催初日のSS1から翌日のSS4までキャンセルになるなど、ラリージャパンは波乱の展開となっている。

「今回、SS4まで全部キャンセルになり、やはり道の選び方など、いろいろなことがわかったと思います。これはやはり、やらなきゃわかりません。最初から100点満点はもらえませんよ。だけど、日が経つごとにみんな経験しているし、解決すべき課題もわかった。こうやって実行させてもらったということが大きいので、次はこれを改善して継続させていきたい。行政もいろいろなルールの面で解決しなければいけない話は、ものすごくたくさんあると思っています。でもそれは今日から準備して、来年の開催に向けて持っていくことではないかなと思います」

 大会主催者側だけでなく、JAF、自治体、行政の面でもラリージャパンの開催には多くの問題、ハードルがあった。その行政の面で今回のラリージャパン開催に尽力したのが、自民党の議員が集まって結成された自由民主党モータースポーツ議員連盟(モータースポーツ議連)だ。会長の古谷圭司衆議院議員をはじめ、幹事長の三原じゅん子参議院議員たちがラリージャパン開催に向けて、各省庁との調整役を担った。

 そのモータースポーツ議連で事務局長を務める、元F1ドライバーの山本左近衆議院委員議員に、3日目の時点ではあったがラリージャパンの感想、そして今後の課題について聞いた。

「今回の開催についての感想や課題は、まずはこの4日間を総括してみないとわからない部分はあると思います。ただ、ここに至るまでに、たとえば車両に付いている企業名などが入ったバイザーステッカー(フロントウインドウの通称はちまき)の部分も、本来なら貼れないなどの課題がありました」

「その理由は、運転者の視界が不良になるからということで、一般自動車の国土交通省のルールに当てはめれば、たしかにそうなります。ただこの競技、そしてクルマはまったく別モノだということが、やはり今回の件を通じて認識頂くことができた。それはやはりモータースポーツ議連の会長である古谷先生が各省庁への交渉をこれまで続けて頂いたお陰です」と、山本氏。

 これまでのレース、そしてレーシングカーでは一般的と思っている認識も、一般自動車と公道という場所では、まったく見え方が変わってくる。ラリーはSSだけの走行ではなく、リエゾン(スペシャルステージ間を移動するロードセクション)では一般道を走行するため、基本的には一般自動車のルールが当てはめられてしまう。

「今回の車両のナンバーについても、仮ナンバーという声も聞きますけど、仮ナンバーではなくて、今回のWRCラリージャパンだけの特別ナンバーを付けることで公道の走行が可能になっていますので、まずは今回の大会が開催されているということが、日本にとっても非常に画期的な、大きな一歩だと思います。もちろんさまざまな反省点がこれから出てくると思いますから、さらによくしていくために、しっかりと今回の件を検証して、次につなげていきたいと思います」と、山本氏。

 ラリージャパンは3日目を終えた時点で、サービスパークのある豊田スタジアムだけで3万9868人(10日/1万2335人、11日/1万1621人、12日/1万5912人)の観客を迎えた。当然、各SSの観客、そしてリエゾン区間などで見ていたファンの数を含めると、多くの観客の目に留まったことは間違いない。トヨタ自動車社長という枠を抜きに、クルマファンとしての意見として豊田章男社長が応える。

「3年かかったし、やっと(WRCが)来たな。やっぱりお客さんが笑顔でよかったなと、それが素直な感覚ですね」

 来年、2023年のラリージャパンは主催者が変わり、地方自治体の豊田市が主催となって開催することが予定されている。モータースポーツ文化の浸透、そして安全運転への啓蒙やクルマやモビリティを中心とした地方の街づくり、社会づくりなど、さまざまな可能性を担っているラリー競技、そしてWRCラリージャパン開催。今後のさらなる発展には主催者と各企業、そして行政と立法といった三位一体のさらなる強化、そしてモータースポーツファンを含めた多くの関係者の協力が欠かせない。

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2022年WRCラリージャパン 3日目岡崎SS

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