トヨタ、全日本ラリー第3戦久万高原で今シーズン初勝利。勝田範彦「メリハリを持って戦えた」

国内ラリー
as-web.jp

 TOYOTA GAZOO Racingが参戦しているJRC全日本ラリー選手権の2022年シーズン第3戦『久万高原ラリー』が4月29日から5月1日にかけて、愛媛県上浮穴郡久万高原町を中心に開催され、勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)が今季初優勝を飾った。また、チームメイトの眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)は総合5位入賞を果たしている。

 久万高原ラリーは、さまざまな要素が複雑に絡み合うターマック(舗装路)ラリー。標高約1000mの山岳地帯にSSが設定され、最終日には全長23.8kmにおよぶロングステージもあるイベントだ。これらのステージの荒れた路面はタイヤへの攻撃性が高く、ロングステージでの集中力の維持とともに、ドライバーにはタイヤに負担をかけずに走る技術が求められる。

 開幕戦の新城、第2戦唐津と2戦続けて3位表彰台を獲得している勝田とチームは、この第3戦久万高原ラリーに向け、事前にタイヤと駆動系のテストを実施した。

 その甲斐もあり勝田は今戦の序盤から好ペースを発揮し総合2番手につける。ラリー初日のSS4では、開幕2連中で今大会でもSS1とSS2でベストタイムを記録したヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)がアクシデントでリタイアとなったため総合首位に浮上。前年のシリーズ王者はそのまま初日をトップで終えた。

 翌日も安定したペースでラリーを進めた勝田は、最終的に総合2位のライバル対して54.9秒もの大差をつけて優勝。今季初勝利を果たした。

「コバライネン選手のリタイアは残念でしたが、今シーズンに入ってやっと勝つことができました」と喜びを語った勝田。

「前戦の唐津を終えた後にもテストを行い、今大会にサイズアップしたタイヤや、さらに進化させた駆動系を導入することができました。毎戦しっかりと準備したうえでラリーに挑めていますので、あらためてチームに感謝しています」

「今回は攻めるべき状況と、抑えるべき状況を判断し、作戦的にメリハリを持って戦えたと思っています。ただ、自分が想定していたようなタイムが出ない箇所もありました。それはしっかりと課題として捉え、今回のデータを見ながらチームと相談して、次戦のラリー丹後に挑みたいですね」

5位となった眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー) 2022全日本ラリー第3戦久万高原
5位となった眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー) 2022全日本ラリー第3戦久万高原

 勝利後にさっそく兜の緒を締める勝田。彼のチームメイトである眞貝は総合5番手で最終日を迎えた後、一時は4番手に順位を上げたものの最終SS8でパンクに見舞われる。これにより順位を下げることになったが、最後はクルマにダメージを負いながらも5位でフィニッシュした。

 眞貝は最終ステージの状況について、次のように説明した。「途中までは4番手を走行していたのですが、最終SSで自らのミスでタイヤを傷つけてしまったため、スローダウンを余儀なくされてしまいました」

「そんななかでも安藤選手の的確な判断により、後続の選手に迷惑をかけず、かつ順位を大きく下げることなくフィニッシュできました」

 また、眞貝は今戦で自身の成長を感じるとともに、改めて“壁”の高さを感じたと述べた。

「ラリー中盤のSS3からSS7にかけては気持ちよく走ることができましたし、昨年と比べて成長を感じるタイムが出せたと思います。ただ、レッキ日の強雨の影響がどれくらい残っているかわからない路面でトップ6の選手たちが出したSS1、SS2のタイムを見せつけられると、その壁は本当に高いと改めて実感しました」

「その“壁”も、チームの皆さんとデータというかたちでしっかり確認して、次の戦いに活かしていきたいです」

 その次戦、JRC第4戦『ラリー丹後』は5月20~22日、京都府京丹後市を拠点に開催される。今季開幕戦から続く4戦目のターマックラリーは、全8戦で争われるシーズンの折り返しとなるラウンドだ。

 今大会でメカニックのひとりとしてチームに加わった、GR Garageオートモール徳島の玉口氏を含む豊岡チーム監督以下、TOYOTA GAZOO Racingメンバーのコメントは次のとおりだ。

優勝した勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスGR4ラリー) 2022全日本ラリー第3戦久万高原

優勝した勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスGR4ラリー) 2022全日本ラリー第3戦久万高原

コメント

●豊岡悟志(チーム監督)

「まず、無観客での開催、また悪天候のなかでご対応いただいた関係者の皆さまには本当に心から感謝いたします」

「今シーズンは強力なライバルの登場により、なかなか勝つことは厳しいと思っていました。R5車両にどこまで詰め寄ることができるかと、ドライバー、エンジニア、メカニックが一丸となってチャレンジしたからこその結果で、とてもうれしいです。勝田選手、木村選手は序盤からアグレッシブで速く、ゴールまでクルマを持って帰ってきてくれるドライビングは“さすがチャンピオン”のひと言に尽きます」

「眞貝選手と安藤選手は、4位が目前だっただけに最終SSでのパンクは残念でしたが、ゴールまでの懸命なドライビングに感服しました。初日にレグ離脱となったヘイキ・コバライネン選手、北川紗衣選手とも話をしましたが、あれほど圧倒的な強さを持っていても、攻め続けるという姿勢をあらためて尊敬しました」

●藤原裕司(眞貝号メカニックリーダー)

「眞貝選手の車両を整備するメカニックのリーダーを担当しています。人材育成という観点を持ちながら、チームとして経験を蓄積することが目標です。人が入れ替わり、ラリーに不慣れなメンバーもいますので、安全第一に作業を行い、選手に安心して乗ってもらえるようサポートすることを心がけています」

「眞貝選手の車両は市販車のサプライヤーさんとも協力をしながら開発を進めており、ダンパーやブレーキなど、どんどん製品が良くなっていると感じます。今回のラリーでは最後にパンクがありましたが、それ以外は基本的なメンテナンスを行ったのみで、選手に気持ち良く走ってもらえるクルマになってきたと実感しています」

●宮脇遼子(レクサス パワトレ性能開発部)

「今回、データエンジニアとして初めて参加しました。エンジンの観点から、車両が狙いどおりの走りをできているかを確認する業務です。普段はGRヤリスのエンジン排気系の適合などを行っていますが、このクルマの本来の力が発揮される場所に携わりたいと思い、立候補しました」

「現場では、とにかくスピード感が違っていて、ごく短時間でデータの判断を行うことなどが印象的でした。そうした感覚を、普段の業務にも活かしたいと思います。それに、“誰かが頑張る”のではなく、チームとして想定した作業をやり切るマインドで全員が動いている点にも感銘を受けました。今回、優勝に立ち会えたことも、とてもうれしかったです」

●玉口和明(GR Garageオートモール徳島)

「以前はトヨタ店でメカニックをしており、今年の4月1日付でGR Garageに配属されました。チームに参加することが決まって以降、ラリーについて勉強し、あらためてモータースポーツやラリーという競技が好きになりました」

「現場では勝田選手の車両のタイヤや足まわりの点検、冷却関係のチェックなどを主に担当しました。通常の業務では1台のクルマを4人で担当することはあまりありませんが、ラリーではチームのメンバーの連携が素晴らしく、安全面も含めて声出しの重要性を再確認しました」

「実際に競技車両に触れて、GRヤリスはラリーで育てられたクルマなのだとあらためて思いました。今回の経験で得た知見や思いを、店舗を訪れるお客様や、店舗のメンバーとも共有することができればと思っています」

JRC第3戦久万高原ラリーではGR Garageオートモール徳島からメカニック1名が参加し、勝田範彦の走りを支えた

JRC第3戦久万高原ラリーではGR Garageオートモール徳島からメカニック1名が参加し、勝田範彦の走りを支えた

整備を受けるトヨタGRヤリスGR4ラリー(TOYOTA GAZOO Racing)

整備を受けるトヨタGRヤリスGR4ラリー(TOYOTA GAZOO Racing)

RALLY JAPAN PRESS

東京オートサロン2022号

新世代WRC 愛知・岐阜で目撃せよ

2022年世界ラリー選手権カレンダー
フォーラムエイト・ラリージャパン2022の見所にフォーカス

詳細はこちら

OFFICIAL SNS

フォーラムエイト・ラリージャパン2022公式SNS