2022年シーズン全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2022 in 唐津」が、4月2~3日にかけて佐賀県唐津市で開催され、ヘイキ・コバライネン選手/北川紗衣選手(シュコダ・ファビアR5)が、奴田原文雄選手/山本磨美選手(トヨタGRヤリス)に44.9秒差をつけて勝利を飾りました。1分3秒7差の3番手には勝田範彦選手/木村裕介選手(トヨタGRヤリス)が入っています。
今シーズンの唐津は、3年ぶりとなる有観客での開催を実現。初日となった2日土曜日は午前中に車検を行い、サービスパークでのセレモニアルスタートを経て、午後からサービスを挟まずに4SSを走行しました。前戦の新城ラリーで全日本ラリー選手権トップカテゴリー初参戦ながら優勝を果たしたコバライネン選手は、この日もライバルを圧倒するスピードを披露。SS1からSS4まで4連続ベストタイムを刻み、初日を首位でまとめました。
「悪くない走りができたね。最高のフィーリングというわけじゃなかったけど、トラブルフリーで走れたよ。グリップレベルはレッキの時のイメージほどは良くなかったかな。でも、クルマやタイヤのフィーリングも良かったし、何よりミスなく走れた。明日に向けて、セットアップやタイヤチョイスに関してはチームと話し合うつもりだ」と、コバライネンは笑顔で振り返りました。
20.6秒差の2番手につけたのは、今回はコ・ドライバーを東駿吾選手から山本選手に変更して挑んだ奴田原選手。SS2とSS4でセカンドベストを記録し、日本人トップにつけました。 3番手は、唐津を得意としてきた勝田選手。45.0秒差の4番手に鎌田卓麻選手/松本優一選手(スバルWRX STI)、45.5秒差の5番手に新井敏弘選手/田中直哉選手(スバルWRX STI)が続きましたが、SS2まで3番手につけていた福永修選手/齊田美早子選手(シュコダ・ファビアR5)は、SS3でマシントラブルに見舞われ、ステージを走り切った後にリタイアを決めました。
最終日、初日を終えた段階で安全圏とも言えるアドバンテージを手にしていたコバライネン選手でしたが、この日も全SSでベストをたたき出す圧巻のスピードを見せつけます。結果、2位の奴田原選手との差を44.9秒にまで広げ、トップフィニッシュを果たしました。
2戦連続となる完全勝利に「本当にハッピーだよ。2勝目を獲得できたことに驚いている。あまり経験のないラリーだったからね。僕らのペースノートは、ラリーを進めるごとにどんどん良くなっている。新しいステージでも、ノートを信頼してしっかりアタックできた。途中、ネジのようなものを踏んでいたことに気がついたんだけど、ノリさん(勝田範彦選手)に聞いたら『替えた方がいいよ』とアドバイスをくれた。タイヤ交換して無事に戻ってこられて助かったよ」と、コバライネン選手は喜びを語っています。
コバライネン選手のスピードにはついていくことができなかったものの、ノートラブルで走り切った奴田原選手が初コンビで2位表彰台を獲得。「今回はトラブルフリーで走れたことが大きかった。クルマはバランス良くまとまっていましたし、何よりもヨコハマタイヤが今回の唐津の路面に合っていましたね。GRヤリスの投入から1年かかって、ようやくスタートラインにつけた感じです」と、納得の表情を見せています。
1分3秒7差の3位に勝田選手、1分27秒4差の4位に鎌田選手。眞貝知志選手/安藤裕一選手(トヨタGRヤリス)が前日からひとつ順位を上げて5位を得ました。
協力:RALLYPLUS.NET 写真:Naoki Kobayashi、TOYOTA